「運用管理システムの運用管理」に追われないための選定ポイント
IT運用管理の負担を軽減するために運用管理システムを導入したのに、その運用管理に追われてしまうのでは本末転倒だ。かといって、運用管理システムを導入しないままでは、管理負担だけでなく情報漏えいなどのリスクも放置されることになってしまう。
重要なのは「手間がかからず、自社でも使いこなせる運用管理システムを選ぶ」ということである。上記に挙げた課題を踏まえ、運用管理システムを選定する際のポイントを以下に整理する。
ポイント1:必要となるシステム環境をチェックしておく
既に述べたように、運用管理システムの中にはデータベースが別途必要なものや、ディスク容量のサイジングを自分で行わなければならないものもある。それらを無理なく管理できるのであれば問題ないが、そうでない場合はワンパッケージで全てが網羅され、導入後も余計な手間のかからないものを選んでおくべきだろう。
ポイント2:管理画面の使い勝手は必ずデモ版で確認する
管理画面には日々の管理、監視の結果が表示され、それに基づいてさまざまな操作を行うことになる。その使い勝手は画面ショットと説明だけでは判断できない。運用管理システムの多くはデモ版が提供されているので、多少面倒でもそれを実際にインストールして触ってみるのが望ましい。
ポイント3:ポリシー設定を支援する機能の有無を調べる
情報漏えいやセキュリティに関連した機能の多くは、レベルを設定できるようになっている。厳しく設定すれば守りは固くなるが、業務上の利便性は低下する。レベルをどこに設定するか(ポリシー設定)は非常に判断が難しく、これを間違うと期待した効果が得られず手間ばかりがかかってしまう結果となる。こうしたポリシーの設定を支援するためのガイドやテンプレート(雛型)といった機能が提供されているかも重要なチェックポイントだ。
安易な選定は「運用管理システムの運用管理」に追われることに
運用管理システムは多種多様なものが提供されており、その中から自社に最適なものを選び出すのは骨の折れる作業だ。だが、そこで安易な選定を行ってしまうと、その後長い期間に渡って「運用管理システムの運用管理」に追われることにもなりかねない。
自社で無理なく活用できる運用管理システムの選定は慎重に行うべきだ。本稿がその際の一助となれば幸いである。