IT人材育成の目的はどこにあるのか - (page 3)

宮本認 (ガートナー ジャパン)

2011-04-07 08:00

「それはあるねぇ…。ウチの部下には『コンサルタントになるんだ!』って言うけど、中身は俺たちも良くわかっていないからねぇ…」

「そうなんです。でも、そこでコンサルタントのスキル分析をすることも重要なんですけど、コンサルティングの業務設計をすることも大切なんですよ。“どういう業務をするのか”がわかれば、対策の取りようはあるんです」

体系的に整備できているか

「ま、仕事自体を明確にするってことはわかった。でも、例えばコンサルティングの業務設計なんて、できんの?」

「できるに決まっています、まぁ、弊社なら(笑)。でも、ここが次の育成に欠けている、もう1つの視点にも繋がるんですけど、結局、業務で使う能力というものには、いくつか段階があるんですね。つまり、

  1. 姿勢・態度:協調性など○○性で表現できるもの
  2. 知識:業務知識など○○知識で表現できるもの
  3. スキル:ドキュメンテーション力など○○力で表現できるもの
  4. 行動特性:「○○の時、○○する」というTPOでの動詞で表現できるもの
  5. ミッション:KPIとしてあらわすことができるもの

がトータルで必要なんです。3~5はビジネススキルって言う人もいますね。僕たちは人材育成って1~5まで全部育成することが必要って思っているんですけど、なかなか、そこが体系的に整備できていない。だから、必要なものも育成されない」

「なるほど……今日の話の中で一番なるほど~って思ったね。やるじゃない、宮本君」

「バカにしてもらっちゃ困りますよ、部長。一応僕、敏腕ですから(笑)。我々、こういうのを作るのもお手伝いしているんですけど、これが作れるってことは、もともとの我々のコンサルティングって業務自体を知り尽くしているからなんですよね。だから、コンサルティングの業務設計だってできるんです。最も余りカチッて作っても、良くないんですけどね」

編集部より:日本企業のITを取り巻く“悩み”は技術力云々ではなく、日本企業特有の組織構造という問題に根付くようです。“部長”との会話はいよいよ日本企業のIT部門が構造的に抱える本質にたどり着きます。後編は4月14日に掲載予定です

宮本認(みやもとみとむ)

ガートナー ジャパン株式会社

コンサルティング部門マネージング・パートナー

大手外資系コンサルティングファーム、大手SIerを経て現職。16業種のNo.1/No.2企業に対するコンサルティング実績を持つ。ソリューションプロバイダの事業戦略、組織戦略、ソリューション開発戦略、営業戦略を担当。また、金融、流通業、製造業を中心にIT戦略、EA構築、プロジェクト管理力向上、アウトソーシング戦略プロジェクトの経験も多数持つ。

編集:田中好伸

Twitterアカウント:@tanakayoshinobu

青森生まれ。学生時代から出版に携わり、入社前は大手ビジネス誌で編集者を務めていた。2005年に現在の朝日インタラクティブに入社し、ユーザー事例、IFRS(国際会計基準)、セキュリティなどを担当。現在は、データウェアハウス、クラウド関連技術に関心がある。社内では“編集部一の職人”としての顔も。

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