4:Notification Servicesの取り扱いを決定しておく
現在、SQL ServerでNotification Servicesを使用しているのであれば、その取り扱いについて考えておく必要がある。Notification Servicesというサービスは、SQL Server 2008で廃止されたため、そのままではSQL Server 2008 R2にアップグレードすることはできないのである。
5:ハードウェア要件とソフトウェア要件を確認しておく
(マイグレーションではなく)インプレースアップグレードを検討している場合、既存のSQLサーバがSQL Server 2008 R2のハードウェア要件を満たしているとともに、必要となるソフトウェア要件すべても満たされていることを確認する必要がある。このサイトにあるハードウェア要件とソフトウェア要件のすべてについてチェックしておいてほしい。
6:フルバックアップを取得しておく
これは言うまでもないことであるが、SQL Server 2008 R2へのアップグレード作業を開始する前には必ず、サーバのフルバックアップを取得しておくべきである。アップグレード作業は、たいていの場合スムーズに進むとはいうものの、ごくまれに問題が発生することもある。このため、アップグレード作業が計画通りに進まなかった場合に備えて、SQL Serverを以前の状態に戻すための方法を用意しておくことが重要となるわけだ。
7:データベースエンジンのアップグレード時に注意しておくこと
データベースエンジンのアップグレードを行う前に、作業をスムーズに進めるために行っておくべきことがいくつかある。最初に、Analysis Servicesを実行しているのであれば、データベースエンジンのアップグレードに先立って、そのアップグレード作業を完了させておく必要がある。Analysis Servicesは最初にアップグレードしておかないといけないのである。
また、アップグレード作業に先立って、すべてのストアドプロシージャを一時的に無効化しておいてほしい。アップグレード作業中は、SQL関連のさまざまなサービスが起動されたり停止されたりすることになる。このため、サービスの開始時に実行されるようなストアドプロシージャが設定されている場合、そういったストアドプロシージャによってアップグレード作業に問題が引き起こされる可能性もあるわけだ。
そして、masterやmodel、msdb、tempdbといったシステムデータベースもチェックし、こういったデータベースにautogrowオプションが設定されていること(そして利用可能なディスク領域が十分にあること)も確認しておいてほしい。さらに、アップグレード作業を行う前にデータベースのレプリケーションを無効化しておくことも忘れないようにしてほしい。
最後に、SQL Server 2008 R2はmax worker threadsオプションの値を保持するようになっているものの、Microsoftはこのオプションの値を0に設定するよう推奨している。これによってSQL Server 2008 R2は最適な値を自動的に算出するようになる。