Microsoftは4月26日より、同社の最新ブラウザである「Microsoft Internet Explorer 9(IE9)日本語版」の製品版について、日本でのダウンロード提供を開始した。米国では3月にリリースされていたIE9だが、日本では東日本大震災の影響を受け、ネット回線の負荷や節電への配慮などから公開が延期されていたものだ。
製品版のダウンロード提供開始から、約6週間程度の期間を経て、Windows Updateでも配信が始まるというのがこれまでのIEでの一般的な流れ。つまり、今後多くのWindowsユーザーが自らの環境にIE9を導入することになるはずだ。
姉妹紙のCNET Japanでは、IE9のレビューやフォトレポートを公開しているが、ZDNet Japanでは現在、Internet Explorer 8(IE8)を使っているユーザーが、IE9に移行するにあたって知っておきたい「5つのポイント」をかいつまんで紹介したい。
1.Windows XPでは使えない
会社でPCを使っているユーザーには、まだOSが「Windows XP」だという人も多いだろう。残念ながらIE9は、Windows XPには対応していない。
Microsoftによれば、IE9が動作するWindowsのバージョンは「Windows Vista SP2以降(32/64ビット版)」「Windows 7(32/64ビット版)」「Windows Server 2008 SP2以降(32/64ビット版)」「Windows Server 2008 R2」となっている。残念ながら、Windows XP上からIE9のサイトに接続しても、ダウンロードできないようになっている。
2.JavaScriptの実行が速い
IE8と比較した場合のIE9の大きな変化のひとつに、「速度の向上」がある。GPUを活用したページレンダリング速度の向上に加え、JavaScriptの処理速度も大幅に向上している。ウェブアプリケーションを多く利用するユーザーにとっては大変魅力的な進化だ。
たとえば、MicrosoftがWebKitのオープンソースプロジェクトで公開されているJavaScriptベンチマーク「SunSpider JavaScript Benchmark」を用いて計測した結果によれば、IE9では、IE8と比較して約18倍の高速処理が実現しているとする。ちなみに、IE6との比較では約50倍のスピードだという。
IE8においては、Google ChromeやFirefoxなどとの比較で弱点となっていたJavaScriptの処理速度だが、IE9において、ようやくこれらのブラウザの最新版と比肩するスピードを得ることになる。