電気材料や電子部品を取り扱う独立系エレクトロニクス専門商社の黒田電気は、グローバル事業の展開とグループ経営の強化を目的に、新しく基幹システムを導入することを決定した。新システムには今後3年間で総額26億円を投資する。同社とシステム構築を支援するTISが4月28日に発表した。
新システムにはSAPジャパンの統合基幹業務システム(ERP)パッケージ「SAP ERP 6.0」と統合ビジネスインテリジェンス(BI)ソフトの「SAP BusinessObjects」を採用。海外事業を含めグローバル化に対応したグループ経営管理を実現するシステムの構築を目指す。導入プロジェクトは2010年11月から開始しており、2013年4月に第1期システムが稼働する予定。以後、順次グローバルベースでの情報基盤の統一を進めていくとしている。
黒田電気の従業員数は単体で438人、グループ全体で2466人(2010年3月末)、国内の販売拠点は20カ所、生産拠点が6カ所、主要物流拠点が9カ所。海外は11カ国24拠点に事業を展開している。2010年3月期の売上高は1660億円。
同社の主要顧客である日系エレクトロニクスメーカーは、中国やインドなど新興国の需要拡大に支えられ、海外展開を活発化させているという。販売先や仕入先双方の海外展開に迅速に対応するために、今後さらなる海外への事業展開とグループ経営の強化を図る必要があるとしている。こうした事業から、今回の新システムの導入を決定している。
新システム導入の目的は、海外関連会社も含めてグローバルなグループ内一元管理の実現、戦略的なグループ経営が実現できるマネジメントコクピットの構築、グローバルな視点でのグループ内業務の効率化、国際会計基準(IFRS)に対応したシステムを構築して、グローバルスタンダードに対応するとともに、各種ステークホルダーに対する信頼性向上――を挙げている。