医療画像処理ソフト「Osirix」の衝撃
iPadは医療の現場にも普及しつつある。9.7インチのマルチタッチ液晶は、立ったまま作業することが多い医師にとって扱いやすい存在とのことで、導入に踏み切った医療機関は多い。
筆者が2月に参加した総務省近畿総合通信局主催の公開実験では、その事例がいくつか映像で公開され、大学病院の研修用に、遠隔医療のモニタ用に、iPadは大いに活用されている様子が見てとれた。
そのときもっとも印象に残ったのが、医療画像処理ソフト「Osirix」(オザイリクス)。医療画像の事実上の標準フォーマットであるDICOMを対象に、2D/3D画像処理を行うほか、サーバ/クライアントによる分散処理にも対応する。iPadやiPhoneをOsirixクライアントとして使いたい、という医療現場のニーズはとても高いのだそうだ。
公開実験が行われた2月の時点では、残念ながらモバイル版OsirixはiPhone用が公開されていたものの、iPadにネイティブ対応はしていないかった。それがこの4月に「Osirix HD」としてネイティブ対応を実現、いよいよiPadならではの解像度をフルに活用できることとなった。
しかしデータ量の多さゆえに、初代iPadではスクロールに難があるとの報告もあり、より高パフォーマンスなiPadの登場が待たれている。今回のiPad 2の発売は、医療関係者にも大きな話題となることだろう。