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ITが進化する方向に議論の余地などない - (page 2)

宮本認 (ガートナー ジャパン)

2011-05-12 17:55

ITは何を目指すべきか

「加えて、競走は激しいから、営業やR&Dで取りこぼせない。だから、CRMやPLMなんかも強化の視点として重要だ。そして、人材が世界に本当に散らばり、人材も多国籍になっていけば、新しいワークスタイルやコミュニケーションスタイルが求められるんだろう。それを支援するITとしてSNSやコラボレーションが主流になるのは、自然な流れだろう。冷静に考えると、今のウチとは、すごい距離感があるのも事実だけど、大きな流れとしてはそうなっていくことは理解できるし、自分たちもその方向性を目指していくんだろう」

「………」

「グローバル化すれば、ビジネスがダイナミックに変化する。ということは、インフラ面で見れば“キャパシティ”がどれだけ必要になるか、長期的な予測が立たないということだろう。さすれば、機動的にキャパシティが変えられる形態にするのが合理的だ。そうなると“仮想化”という手段でインフラを組み立てることが理に適う。アプリケーションの面で言えば、ビジネスがダイナミックに変化すれば、仕様変更も多くなる。その要求への対応期限も短くなるだろう。ビジネスの成否……ま、案件が取れるか取れないか、かな。これに対応できないという言い訳を許してもらえるIT部門は存在意義がなくなるだろう」

「………」

「そうなると、開発量を少なくすることが必要だ。すなわち、共通化できるモジュールは極力共通化し、変化させると大変なものは極力変化させずに“一つ”として持つ方が、開発は少なくて済む。逆に、変化が多いものは、よりモジュール化しておいて、変化に対応しやすい形にしておく方が、ユーザーにとってもメリットが高い。この考え方がSOAだね。これも極めて合理的だ」

「いや、部長…凄いです。完璧です」

「まだまだあるよ」

「え?」

「今回の震災でわかったことだが、単純なコミュニケーションパスしかないと危機に弱いし、脆い。ウチも固定電話や携帯電話が繋がらなくて結局、Twitterなどで連絡を取り合う社員もいたぐらいだ。支援物資を送る関係だろうが、当局から在庫の緊急報告を求められて、ITが動いていたからすぐに報告ができた。本当に助かったという部長もいた。ITはもはやライフラインだね。ライフラインの一つとするならば、ヒト、モノ、カネという資源の管理やコミュニケーションに、多重に対応できる状態でないと、現代のビジネスでは危うい」

「その通りです」

「流れはわかった。君たちが言う通りだ。その方が現代の経営に対応できる。ただ、大きな問題は何かと言うと、これが、そもそもウチに馴染むのかという点だ。世界の潮流はまさに君たちが言う流れが主流となるだろう。しかし、これは大きな変更だ。そもそも本当の流れになるのか。ERPだって今になってみると、その選択が良かったのかどうか、結論を出しづらい。この選択が間違っているとするならば、大きな判断を誤ることとなる。間違うわけにもいかない。また、今のユーザーやIT部門でやれるのか。余りにも違いがありすぎるために、今のウチの人材ではやり切れない可能性が高い。更には、やるとしたならば、ウチはどこからやるべきなのか。これも問題になってくる」

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