鳥取県は、県の業務や同県下の市町村や企業向けに提供するクラウド基盤として「Vblock 0」を2010年9月から稼働させている。Vblockを提供するシスコシステムズ、EMCジャパン、ヴイエムウェア、構築を担当した伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が5月16日に発表した。
Vblockの運用を管理しているのは、鳥取県のシステムインテグレーター(SIer)である鳥取県情報センター(TIC)。同社は、県庁をはじめとする自治体職員向けの人事システムや会計システム、県民向け住基サービスなどのシステム開発と運用管理サービスを担当している。
TICは、鳥取県が2009年10月に発表した「鳥取県情報システム全体最適化計画」に基づいて、運用していたサーバ群の仮想統合とシステムのクラウド化を実現したとしている。鳥取県情報システム全体最適化計画は、機器調達と運用コストを最小限にしながら、タイムリーな行政サービスの実現を目指したものであり、基幹系業務システムのオープン化の方針とオープン化されたシステムを集約することを決定している。
Vblockを導入することで、サーバ台数を集約することに成功しているという。数週間必要だったシステムの準備期間を1日に短縮できているともしている。鳥取県と県内の自治体や民間企業も利用できるクラウドサービスを2010年9月から開始している。
Vblockは、シスコのIAサーバ「Cisco Unified Computing System(UCS)」と仮想ネットワークスイッチ「Cisco Nexus 1000v」、SANスイッチ「Cisco MDS」、EMCのユニファイドストレージ「EMC Celerra」、パス管理ソフト「PowerPath」、ヴイエムウェアの仮想化関連ソフト群「VMware vSphere 4」を組み合わせたパッケージ製品。事前検証済み構成であることから、今回のシステム構築プロジェクトは、構築から導入、運用教育までを10日間で実現したという。
Vblockシリーズは、稼働できる仮想マシン(VM)の数が3000~6000のVblock 2、800~3000のVblock 1、300~800のVblock 0で構成される。今回鳥取県が導入したのは、このVblock 0になる。3月時点で10台の物理サーバ上で86台のVMが稼働しているという。2015年までに鳥取県の200以上のシステムがクラウド化され、県外へもサービスを積極的に展開し、ビジネスを拡大していく計画としている。
日本国内のVblock導入は大分県が選定を発表しているが、実稼働の発表は今回の鳥取県が初めてになる。
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