保土谷化学工業は、「SAP Environment, Health, and Safety Management」(SAP EHS Management)を基盤にした「化学物質総合管理システム」を導入し、本格稼働を始めた。アクセンチュアとSAPジャパンが5月22日に発表した。
化学物質総合管理システムは、SAP EHS Managementを基盤として、アクセンチュアが国内企業向けに独自に開発したソリューション。今回の導入プロジェクトはアクセンチュアが担当し、5カ月間で運用を開始させたとしている。なお、中堅化学メーカーにおけるSAP EHS Managementの全面導入は、保土谷化学工業が初になる。
化学物質管理の体制強が急務だった保土谷化学工業では、すでに導入していたSAP ERPとの親和性が高く、日本を含むグローバルの大手化学品メーカーで採用が進んでいることから、SAP EHS Managementの採用を決定したとしている。
SAP EHS Managementは、環境、安全、衛生に関する規制対応やコンプライアンス遵守をサポートするソリューション。これを基盤とした化学物質総合管理システムの導入によって、最新かつ正確な情報に基づき全社で統一した対応が可能となり、飛躍的なガバナンス向上を実現したという。また、個人や部門内に散在していた製品や原材料の含有化学物質に関する情報やノウハウを集約させたことで、国内外のコンプライアンス要件やエンドユーザーからの個別要望にも迅速、的確に対応できるオペレーション基盤を構築したとしている。
同システムでは、国内最大の化学物質データベースを保有する日本ケミカルデータベースから提供される化学物質の有害性や法規などに関する最新情報と、保土谷化学工業が独自に保有する化学物質情報を統合。これにより、精度の高い化学物質管理を実現するとともに、国内法改正等への効率的な対応を可能にするという。また、日本化学工業協会策定のガイドラインに準拠したMSDS(製品安全データシート)自動作成機能や、グリーン調達関連機能により、エンドユーザーからの要望への対応を含めた化学物質管理業務の大幅な効率化を実現するとしている。
今後、保土谷化学工業では、同システムを最大限に活用し、購買、生産、販売などの企業内活動と化学物質管理を関連付け、それぞれの活動における化学物質取扱量の把握も効率的に行える仕組みの構築を計画しているという。