--デザインやエクスペリエンスへのフォーカスなど、Appleを意識しているようにも見える。エンタープライズ分野でAppleのようなイノベーターとなるためには、何が必要だと考えているか?
現在、3つのことを進めています。
1つ目はイノベーションサイクルを短縮して、顧客をそのプロセスに入れること。2つ目はデザインを強化して人にフォーカスすることです。特にモバイルでは、これが重要となります。3つ目はロータッチなディストリビューションチャネルです。SAPPHIREでは「SAP Store」をローンチしました。オンデマンド(クラウドサービス)のBusiness ByDesignユーザーであれば、SAP StoreでBusiness ByDesignの拡張を選択し、試した後で購入できます。購入した数時間後には、その拡張機能が加わったBusiness ByDesignが動きます。この3つは、今後も取り組んでいく分野です。
(Appleとの)最大の違いは、コンシューマー(ビジネス)とビジネスソフトウェアの差異です。ビジネスの場合、10年先を仮定しなければならず、長期間のコミットが必要です。このような違いはあっても、同じスピードでイノベーションを起こせると思っています。
--SAPのブランディングにはどう取り組んでいるのか?
SAPのイメージは、堅牢、高品質、ドイツのしっかりしたエンジニアリング、だと思います。これはそのままに、新しいフレッシュなイメージを加えたいと思っています。ややコンシューマー寄りのアプローチで、エキサイティング、クールなどのイメージを打ち出していきます。それにあたり、ロゴの色を少し変えました。
モバイルへのフォーカスは、ここで大きな助けになっています。モバイル端末は(製品だけでなく)新しいSAPのブランディングも補完しているのです。モバイルは人々にリーチするだけでなく、ユーザーをエキサイティングにできる大きな潜在性がある分野です。
一貫していることは、顧客こそがSAPの価値だということです。SAPを利用していることが顧客のブランドとなるように、信頼関係を強固にしたいと思っています。
関連記事- SAPのSybase買収は「コンシューマライゼーション」に通じる
- SAP、Sybaseの技術でモバイルエンタープライズ展開へ
- SAP、Business ByDesignを基盤にPaaSの提供を表明--オンデマンド戦略を聞く
- 非構造データ分析とインメモリ活用でBIはさらに改善する--SAP
- SAPPHIRE NOW 2010:企業ITの変遷に対応してきたSAPが目指す「オンプレミス、オンデマンド、オンデバイス」
- SAPジャパン社長、震災直後の意思決定プロセスを語る
Keep up with ZDNet Japan
ZDNet JapanはFacebookページ、Twitter、RSS、Newsletter(メールマガジン)でも情報を配信しています。現在閲覧中の記事は、画面下部の「Meebo Bar」を通じてソーシャルメディアで共有できます。東日本大震災の情報は、特設サイト「ZDNet Japan after 3.11」にまとめています。