国内サーバ市場、Q1は10.3%減で2期連続マイナス成長--IDC調査

富永恭子 (ロビンソン)

2011-05-30 16:00

 IDC Japanは5月30日、2011年第1四半期(1~3月)の国内サーバ市場動向を発表した。これによると、2011年第1四半期の国内サーバ市場規模は1168億円で、前年同期から10.3%縮小した。一方、出荷台数は14万台で、前年同期から12.6%の減少となったとしている。

 今期の国内サーバ市場は、出荷金額、出荷台数ともに2桁のマイナス成長となった。出荷金額では、メインフレームとx86サーバの落ち込みが響いたという。また、出荷台数では、x86サーバの減少が影響したとしている。

 ベンダー別では、富士通が首位となった。しかし、富士通のシェアは、前年同期にあたる2010年第1四半期より7.2ポイント減少している。前年同期にあったメインフレームの大型案件の反動と、x86サーバが工場の被災により落ち込んだことが影響したと分析している。2位はIBMで、x86サーバとメインフレームが堅調だったのに加え、メインフレームで金融業向けに大型案件があった。3位のヒューレット・パッカード(HP)は、IA64サーバが好調で、通信業、製造業、金融業向けに大型案件があったとしている。4位のNECは、x86サーバはマイナス成長だったが、官公庁向けの出荷が好調でメインフレームが大幅増となった。5位は日立製作所で、x86サーバとRISCサーバが好調だった。

 一方、出荷台数では、NECが1位となった。2位はHPで、NECとは1ポイント差。3位以下は、富士通、デル、IBMの順となった。

 IDC Japan、サーバーリサーチマネージャーの都築裕之氏は、ベンダー別の市場動向について、「今期は、x86サーバで大震災の影響があった。影響の度合いは、ベンダー毎に異なり、明暗を分けた。被災を直接受けた富士通は、大きな影響があったが、IBM、日立製作所は、大震災の影響は限定的だった」と指摘している。

 また、市場全体の動向については、「大震災の発生により、ユーザー企業のDRP(Disaster Recovery Plan)とBCP(Business Continuity Plan)への関心が、急激に強まっている。また、電力不足への対応についても、夏を乗り切るための問い合わせが増えている。ただし、『今、何かをしなければ』との一時的な盛り上がりがあることに注意が必要だ。企業にとって、重要なデータを大量に保有するサーバ資産は、企業の生命線であることから、大災害に対する備えを確保することは重要だ。加えて、企業活動を効率化し、ビジネス環境変化に対応できるサーバシステムの構築が本質であることを忘れてはならない」とコメントしている。

2011年第1四半期国内サーバ市場ベンダーシェア(出荷額) 2011年第1四半期国内サーバ市場ベンダーシェア(出荷額)(出典:IDC Japan)

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