今回また、現リリースの持つ小さな欠点も明らかになった。現状では、GNOME 3には設定ツールがないという深刻な問題がある。実際、「GConf Editor」か.xmlファイルの直接編集でしか設定できない設定オプションも多い。設定用ツールは現在作られているところだ。
設定ツールがないということを別にすれば、GNOME 3はかなりよいものに仕上がっており、気が利いていて効率的だ。わたしは、Unityに対してもこれらの特徴を挙げたが、今回は本物だ。現在のGNOME 3には、おかしなクラッシュもなく、Unityに対抗するのを難しくさせるようなメニューの動作の煩わしさもなくなっている。また、ほかにもGNOME 3がUnityに優っている点がいくつかある。
たとえば、GNOME 3の検索機能を例に挙げてみよう。GNOME 3には、「GNOME Do」に似た検索・実行機能がある。この機能を使うには、ランチャーを開いて検索用のテキストボックスを呼び出し(画面左上にマウスカーソルを動かすか、Alt+F1を入力)、検索ボックスに検索する文字列を入力すればよい(図B)。デスクトップの外部を検索したいのであれば、文字列を入力して「Google」ボタンか「Wikipedia」ボタンをクリックすれば、デフォルトブラウザで検索結果が表示される。

しかし、GNOME 3を使うべき理由は、これまでに挙げたことばかりではない。GNOME 3の開発者が成し遂げたもっとも見事な仕事の1つは、GNOME 3の速さと信頼性だ。GNOME 3は速度と信頼性の面で、(ハードウェアが同等なら)Ubuntu Unityを凌ぐ。わたしはUbuntu Unityではこれまで何度も問題にぶつかったが、GNOME 3では(ベータ版にもかかわらず)まだ1度も問題が生じたことはない。
では、GNOME 3はUnityを追い越し、誰もがこの有名なデスクトップの最新バージョンを使うようになるだろうか。おそらく、そうはならないだろう。しかし、もしデスクトップに新しいアプローチが欲しいと思っており、Unityには不満を感じているのなら、GNOME 3を試してみるべきだろう。高速で、安定性が高く、上手にデザインされており、FedoraはGNOME 3を正しく扱っている。
わたしはここで、この最先端を行くLinuxディストリビューションで驚くべき仕事をしたFedora 15チームに、賛辞を送りたい。わたしの目から見れば、Fedora 15とGNOME 3の組み合わせは、互いに大きなメリットがある。試してみてもらえれば、賛成してくれる読者も多いはずだ。
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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。