神戸製鋼所は、加古川製鉄所(兵庫県加古川市)の製造ラインを制御する「製鋼地区統括プロコンシステム」を日本ヒューレット・パッカード(日本HP)の「HP Integrity NonStopサーバー」とJavaを組み合わせて構築、4月から稼働している。日本HPやシステムを構築したCSKなどが6月3日に発表した。
製造プロセスでの機器制御や操作員への情報支援を担う電算機である“プロセスコンピュータ”の略。加古川製鉄所のプロコンは、最上位のビジネスコンピュータ(ビジコン)を頂点に、プロコン、制御装置の3階層となっている。
今回の製鋼地区統括プロコンシステムは、加古川製鉄所の操業の基幹となるシステムであり、停止した場合、同製鉄所の操業に大きな影響を及ぼすことから、24時間365日の連続運転が求められるミッションクリティカルなシステム。経営戦略の変化に応じたシステム変更をタイムリーに行うための高い保守性や拡張性が求められる。
製鋼地区統括プロコンシステムは、保守期限を迎える「転炉管理プロコン」と「転炉制御プロコン」をウェブ型で構築している。新システムの導入プロジェクトは、神戸製鋼がプロジェクト全体の推進、日本HPがハードウェアの提供、CSKがシステム基盤の構築、CSKと神鋼エンジニアリング&メンテナンス(神鋼EN&M)が各種業務アプリケーションの開発を担当している。
※クリックすると拡大画像が見られます
製鉄所の安定稼働を支えるため、無停止サーバであるIntegrity NonStopを中心にシステムを構成、操業設備ごとにサーバを配置することで、操業の独立性を確保しているという。万が一のサーバ停止や業務アプリケーションのバージョンアップ時に、システムを停止しないようにブレードサーバを配置して、本番系と待機系の2系統によるアクティブ-スタンバイ構成を実現することで、システム全体としての安定性を強化したとしている。こうした措置を執ることで、操業上のロスを低減できると説明している。
統合データベースとしては、無停止運用できる「NonStop SQL」を採用。高い可用性を維持しながら、データを一元管理し、データの分析、可視化が容易に実施できるという。データが発生する時点で保存し、信頼性を高めることもできるとしている。Javaで開発することで、特定のOSに依存せず、将来的にも保守性と拡張性の高いシステムが実現したと説明している。ウェブ化で、場所を選ばない操業情報を参照、解析でき、ハードウェアの更新時にかかる大幅なコスト低減にも寄与すると、メリットを強調する。
ZDNet Japan 事業継続フォーラムのご案内
朝日インタラクティブは6月22日、都内で「ZDNet Japan 事業継続フォーラム」を開催します。ヤマト運輸 情報システム部長による基調講演「ヤマトグループが取り組んだ広域災害対策の歴史」、仙台のIT企業 トライポッドワークスによる特別講演「大震災で通信と物流がストップ--仙台のIT企業はいかにして事業を継続したのか」などを予定しています。皆さまのご参加をお待ちしております。
Keep up with ZDNet Japan
ZDNet JapanはFacebookページ、Twitter、RSS、Newsletter(メールマガジン)でも情報を配信しています。現在閲覧中の記事は、画面下部の「Meebo Bar」を通じてソーシャルメディアで共有できます。東日本大震災の情報は、特設サイト「ZDNet Japan after 3.11」にまとめています。