この数カ月間、わたしは「KDE」の開発者が最新リリースで上げた成果に感銘を受けていた。彼らは大量のバグをつぶしただけでなく、ゴミ捨て場行きになる運命だと思われていたいくつもの機能を実現したのだ。その1つが、「デスクトップアクティビティ」だ。わたしが初めてこれを見たとき、この機能はKDEとっても、デスクトップPCの世界にとっても新しいものだった。わたしは当時、このコンセプトを受け入れるのは気が進まないと思っただけでなく、この新しいパラダイムがどう便利なのかもよく理解できなかった。
それが、「KDE 4.0」での出来事だ。「KDE 4.6」になった今では、状況は大きく変わった。実際、この機能は道理にかなったものになっただけでなく、なぜこれまで誰もこの機能を思いつかなかったのかと、不思議に思うほどだ。デスクトップアクティビティは、デスクトップを整理するのを助けてくれるだけでなく、コンピュータ生活をずっと効率的なものにしてくれる。ただし、小さな問題が1つある。多くのユーザーは、デスクトップアクティビティについて知らないし、使い方も理解していないということだ。この記事では、そういうユーザーのために、KDEのデスクトップアクティビティの使い方を紹介する。
デスクトップアクティビティとは
「どうやって」という話をする前に、これを使うべき理由を説明しておくべきだろう。デスクトップアクティビティは、特定の作業のためのデスクトップを作る手段だと考えればよい。つまり、デスクトップを用途に応じて定義するわけだ。例えば、ウェブの閲覧やソーシャルネットワーキングのためのアクティビティを作成することもできるし、アプリケーションの検索と実行のためのデスクトップや、作業用のデスクトップなども作ることができる。それぞれのデスクトップは、そのタスクに応じたウィジェットやアイコンを中心に組み立てられる。
一番簡単な説明の仕方は、新しいアクティビティの作り方を紹介することだろう。例として、検索と起動のためのアクティビティを作ってみる。このデスクトップアクティビティは、文書ファイルを素早く簡単に検索したり、アプリケーションを起動したりするためのものだ。
デスクトップアクティビティを追加するには、以下のようにする。
- Ctrl+Qのショートカットを使うか、デスクトップ右上のToolBoxのアイコンをクリックし、「Activities」を選択する。
- 「Create Activity」をクリックする。
- 「Template」→「Search and Launch」をクリックする。
これで、デスクトップに「Search & Launch Activitiy」が追加される(図A)。見ればわかるとおり、このデスクトップアクティビティは、さまざまな種類の検索を簡単にしてくれるものだ。テキストボックスに検索語を入力すると、「GNOME Do」と同様の動作をする。つまり、開ける文書ファイルも、起動できるアプリケーションも同時に表示されるということだ。