NRIセキュアテクノロジーズ(NRIセキュア)は6月28日、2010年度に提供した情報セキュリティ対策サービスを通じて得たデータからセキュリティの傾向を分析したレポート「サイバーセキュリティ:傾向分析レポート2011」をまとめ、発表した。
レポートによると、プラットフォーム診断の結果からはネットからの脅威に対し、ファイアウォールに大きく依存した対策を行っているシステムが多く、サーバ単体で見ると44%のシステムは即座に攻撃可能な問題が存在しているという。仮にファイアウォールの内側への侵入を許してしまうと、ほかのサーバを攻撃され、あらゆる情報を詐取されるなどの被害につながる可能性のあるシステムが約半数存在することになる。
ウェブアプリケーション診断の結果からは、31%のウェブサイトで重要情報を奪取可能などの重大な問題がいまだに存在することが確認されたとしている。ウェブアプリケーション診断の受診経験がない企業が運営するウェブサイトでは、40%のサイトに重大な問題が存在しており、企業間の情報セキュリティで“格差”が存在すると説明。マネージドセキュリティサービスで管理するウイルスチェックサーバのログから、ウェブアクセス時にマルウェアを検出したURLのドメインの30%が.jpドメインのウェブサイトであることを確認しているが、その中には国内の上場企業が保有するドメインが散見されたという。
東日本大震災前後の企業内の従業員によるウェブアクセスから、業務外利用でのウェブアクセスが大半を占めている可能性があると分析。明らかに業務上不要なウェブサイトへのアクセスは禁止し、判断が難しいウェブサイトへのアクセスは許可しつつ、そのログを詳細に取得することが、情報漏えいにつながる内部犯行の対策になると説明している。