桜美林大学は、学生や教職員が利用する情報共有ポータル「教学事務支援システム OBIRIN e-Campus」の機能拡張プロジェクトを安定した電力供給のもとで進めるため、日本IBMのクラウドサービス「IBM Computing on Demand(IBM CoD)」を活用する。日本IBMが6月30日に発表した。
OBIRIN e-Campusは、学生向けには履修登録、時間割照会や課題提出、資格や卒業に関する各種申請機能を提供し、教員向けには、アドバイザー支援機能、シラバス登録・照会、採点報告機能を提供する。桜美林大学では、中期目標の一つである「情報システムの安定稼動継続」に向けて2010年9月から、最新ブラウザへの対応や、よりきめ細やかな成績評価の登録、あらゆる項目から必要データに容易にアクセスできるようにするなど、同システムの機能を拡張するプロジェクトに取り組んできた。
東日本大震災と停電とその後4回の輪番停電を受け、スケジュール通りの開発に困難が生じる事態が発生していたという。そこで、桜美林大学では、電力消費の上昇が見込まれる9月30日までの夏季期間、IBM CoDを活用。安定的な電力供給が受けられる学外のクラウド上でシステム開発を開始して、9月の新学期に向けて、夏休み中に新システムの稼働を目指すとしている。
IBM CoDは、IT資源を必要な時に必要な分だけネットワーク経由で利用できるIaaS。汎用プロセッサ「POWER7」を搭載したUNIXサーバを採用している同サービスを活用することで、個別のOSや複数のミドルウェアの再導入の手間なく既存の学内のシステム開発環境をクラウド上に移行し、開発を継続できたとしている。
桜美林大学では、情報基盤の可用性、安全性、経済性、即効性の向上に向けて、開発環境だけでなく本番基幹系システムについてもクラウド技術を活用することを重要課題として検討していくという。