大和証券グループ本社の100%出資会社で5月13日からサービスを提供している大和ネクスト銀行は、勘定系システムをLinuxで構築した。同システムを構築した富士通が7月6日に発表した。Linuxをベースとした勘定系システムは国内初という。
大和証券グループ本社は、入出金の利便性を向上させ、預金を含めた資産形成で金融商品をワンストップで提供するため、大和ネクスト銀行を設立。銀行と証券をシームレスにつなぐシステムをオープンソースソフトウェア(OSS)のLinuxで構築することを方針として決定したという。大和ネクスト銀行は大和証券を代理店とすることで、全国にリアルチャネルを持つ新しいタイプのネット銀行として、円普通預金や円定期預金、振込、振替、同行の預金口座と大和証券の証券口座間を自動で振り替えるスウィープサービスなどを提供している。
大和ネクスト銀行の勘定系システムは、富士通の基幹IAサーバ「PRIMEQUEST」を採用。金融機関向け勘定系オープンソリューション「W-BANK」を活用することで、システム構築の効率化を図ったという。
W-BANKは、日本に拠点を持つ外国銀行も含め、多くの導入実績と多通貨会計への対応が可能など、幅広い業務に適用できるという。預金などを含む基本機能部品群やポータル製品群などの部品を活用したことで、13カ月という短期間で高信頼のシステムを構築できたとしている。
大和証券のシステムとシームレスに連携させることで、預金口座と証券口座を自動で振り替えるスウィープサービスが可能となり、顧客に預金を含めた資産形成のための金融商品をワンストップで提供できるという。両システムをシームレスに連携しながらも、独立性を保ちながら運用させることで、どちらかのシステムに障害が発生しても、影響が局所にとどまるように配慮したとしている。
セキュリティには、富士通九州システムズの「WAF(Web Application Firewall)監視サービス」を適用。WAF監視サービスは、ウェブアプリケーションの脆弱性を悪用した不正アクセスを監視し、リアルタイムに検知し、迅速、確実に対応できるという。