クラウドの活用が進めば必ず運用管理ツールが必要になる--ITR 甲元氏 - (page 3)

聞き手:冨田秀継、文・構成:大川淳

2011-07-12 12:51

 日本企業は縦割りの組織が多いのですが、ここでは部門長が部門を守ることを最大のミッションであると思っている傾向がありますね(笑)

--そして、それが「良い上司」と思っている方も多いでしょうね(笑)

 そう(笑)ですから、国内の企業はクラウドによって人員削減できるなどと、まったく期待しない方が良いと思います。それに、SaaSをやるにしても何らかの運用者は必要ですし、運用者が大幅に減るということはありませんから。

ビジネスに直接貢献できる業務にこそクラウドを用いるべき

--「今後のクラウド化の予定」への問いに対して「導入する予定はない」との答えが45.37%もあり、最多の回答となりました

 2008年頃から、ITRはさまざまな企業にクラウドを紹介してきました。おもしろいし、価値をもたらすものと捉えていますが、そう感じていない企業も少なくないのです。

 一般に国内企業は、常時ITに張り付いている要員が少なく、一人の従業員が多様な任務についていることがほとんどです。価値の高い仕事をしている人もいますが、ビジネスへの貢献度の低い仕事をしている人の方が多いわけです。

 経営層はこの事実に不満を持っているのでしょうが、システムが稼動している以上、その「お守り」は必要になる。ITについて、こんな感覚をもっている経営者やビジネス部門の要員もいるのです。

 付加価値の低い業務は外注に委ね、自社ビジネスに貢献できる部分は自分たちでやろうとするなら、パブリッククラウドは適していると話してきました。それが昨年くらいには、クラウドをもっとビジネスに活用しようということで、たとえばグローバル展開を進めるのであれば、クラウドを活用するほかないのではないか、というような訴求をしています。イノベーティブな仕事、ビジネスに直接貢献する仕事などは、パブリッククラウド導入のトリガーになり得ると思います。かなり、話に乗ってくるようになっています。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]