クラウドの活用が進めば必ず運用管理ツールが必要になる--ITR 甲元氏 - (page 4)

聞き手:冨田秀継、文・構成:大川淳

2011-07-12 12:51

--そういう意味では、クラウドはやはり俊敏性や柔軟性がキーワードになりますね

 そうですね。特徴としては、まず展開スピードが速いことが挙げられます。俊敏性は非常に大きな特徴なのです。それから、スモールビジネス、新規ビジネス、トライアルなどを開始する際、すぐに立ち上げてすぐに撤退できるという点は、リスクを低減できて初期投資も少なくて済みます。

--まさに俊敏性と柔軟性ですね

 たとえば、ストレージなどを従来と同様の感覚で、パブリッククラウドとして用いるような用途では効果は出ません。単に外部に任せるというだけの発想ですから。最近では、柔軟性や迅速性の向上を目的に、クラウドを導入する企業が増加してきました。

--プライベートクラウドが先行しているのは、そういう理由が大きいのですか

 というよりも、仮想化技術の普及が進み、成果を上げている企業が増えてきたため、その先へ行きたい、より効果を上げたいという思いでプライベートクラウドを採用する例が増えてきているのだとみています。パブリッククラウドとはまったく異なる背景があると思います。

 プライベートクラウドでは、高いレベルの自動化や標準化を推進し、運用管理の徹底的な省力化が求められると思います。仮想サーバで得られた効果を徹底的に推進するという発想です。大震災以降、すべてのシステムにBCPの視点が求められるようになってきていますので、プライベートクラウドにもDR機能が求められています。

 自動化、標準化、DR機能――これらを低コストで実現するためには高度なITツールが必須になることは論を待ちません。

 先ほど述べた、3つの異なる環境をシームレスに運用するツールとあわせて、今後、クラウドコンピューティングにおいては、運用管理ツールをうまく活用する企業が確実に成果を挙げていくと思います。

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