ビッグデータ時代に最適化した新ストレージ--IBM XIV Storage Gen3

大河原克行 2011年07月20日 16時11分

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 日本IBMは、データ転送速度を最大4倍に高速化したディスクストレージの新製品「IBM XIV Storage Gen3」を9月8日から出荷すると発表した。

 日本IBM ストレージ事業部長の山崎徹氏は、「我々を取り巻く情報量は年率約60%で増えており、100テラバイトのストレージを持っているユーザーの場合には、5年後には1ペタバイトの容量が必要になる。しかし、ストレージ予算の増加は1〜5%増に留まっており、そこにギャップがある」と現状の問題を指摘。

 日本IBMでは「データの重複削減などの物理データ容量の削減、マルチベンダー環境のストレージ仮想化などによるストレージ資源の使用率向上、管理のためのコストが80%と言われる部分を効率化するためにテープを含む自動階層管理や階層を無くす技術などによって、データの適切な場所への配置という3点から課題解決を提案している」とし、「今回の製品は、革新的なグリッドアーキテクチャの採用、仮想化テクノロジの採用、さらには運用管理の負荷を軽減するセルフチューニング、セルフヒーリングなどにより、ストレージの効率化を実現するものであり、TCOで69%という大幅な削減が可能になる」とした。

 IBM XIV Storage Gen3は、内部接続スイッチにInfiniBandを採用することで、従来製品に比べて20倍以上の帯域幅を実現。外部接続インターフェースには、8Gbpsファイバーチャネル、22ポートのiSCSIを採用することで2倍以上の帯域幅を確保した。また、キャッシュ容量は、最大360Gバイトと1.5倍以上に拡張。さらに、2012年上半期にはSSDへの対応も発表し、7.5テラバイトのSSDをキャッシュとして利用することで約20倍の拡張が可能になるという。

日本IBM ストレージ事業部長の山崎徹氏 日本IBM ストレージ事業部長の山崎徹氏

 「ビジネスインテリジェンスやアーカイブなどのシーケンシャル処理では、最大4倍の高速化、データベースやメールなどのトランザクション処理では最大3倍の高速化を実現した」(山崎氏)

 Microsoft Exchangeで約3倍、Oracle Data Warehouseでは約2倍、SAS Business Analyticsでは約3倍、Microsoft Hyper-Vでも約3倍の高性能化が図れるとの検証結果も明らかにした。

 XIVでは、自動分散アーキテクチャを採用。どのデータボリュームもすべてのモジュールに擬似ランダム的に並列分散配置し、アクセス時にすべてのシステムリソースを使えるようにすることで、アプリケーションが必要とするだけのアクセス性能を常に提供できるのも大きな特徴だ。

 「すべてのアプリケーション、すべての業種の顧客において、Gen3のメリットを享受できると考えている」(山崎氏)とした。

 また、低回転、大容量のハードディスクを採用していることから、一般的なエンタープライズ向けディスクに比べて約58%の電力削減が可能になるほか、複数拠点に設置した最大64台の同製品を、単一コンソールから一元的に管理できる運用管理機能も強化。QoSのモニタリング機能の搭載や、性能統計情報のインターフェースの改善により、管理ツールの使い勝手を向上させている。

 「これまでとは比較にならない規模と速度で、データを発生させる機器が社会の隅々にまで普及し、ビッグデータ時代が訪れている。ビッグデータには、構造化されたデータと非構造化データの複雑な組み合わせによる『多様性』、これまでにない高い頻度で発生し流れる大量のデータである『頻度』、これまでのテラバイトからゼタバイトスケールのデータによる『量』という3つの特性がある。これをどう経営に生かしていくかがポイントになっている。ビッグデーダ時代に適したストレージが求められている」などと市場背景を示した。

 使用可能容量55TBの最小構成での価格は1億2155万3000円(税別)。このなかにはハードウェアおよびソフトウェアの1年間の保証が含まれている。

 日本IBMでは、今回の新製品発表にあわせて、2010年から数十人規模でスタートしたストレージ専任営業の人員を約2倍に強化。バリューディストリビューターとの協業強化による新規顧客の獲得、ストレージ基盤全体を最適化するソフトウェアおよびサービス事業との連動提案やアセスメント提案体制を7月から強化するという。

 仮想化、クラウド化の環境において、データ容量が多く、ワークロードが混在していても安定した性能を得たいユーザー、運用管理の負荷を軽減したいユーザー、導入スピードや利用者へのストレージ割り当てスピードを迅速化させ、ビジネス上の要求に対応したいというユーザーを対象に訴求していくという。

 XIVシリーズは2008年の発表以来、全世界で4500台を超える出荷実績を持ち、1100を超える新規顧客への導入実績があるという。また、日本でも対前年比で60%を超える成長を遂げているという。

 IDC Japanの調べによると、日本IBMの2011年1〜3月のストレージ製品の売上高は前年同期比53.7%増となり5四半期連続でシェアを拡大、この間にシェアを4.1%拡大させたという。

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