SAPジャパンは8月2日、ビジネス分析関連製品であるBusinessObjectsブランドの企業情報管理ソリューション「SAP BusinessObjects Information Steward」(Information Steward)の提供を開始したことを発表した。
「データ爆発」という言葉が言われて久しいが、企業の経営、マーケティング、顧客とのコミュニケーションというビジネスのあらゆる側面で、膨大なデータを分析し、そこから得られる知見を生かす必要性が増している。また、ソーシャルメディアなどから生み出される非構造データも、その劇的な増加にともない分析対象としての重要性を高めており、取り扱うデータの種類も増え続けている。
SAPジャパン ソリューション営業統括本部 BA&T事業開発 BI事業開発マネージャの瀬尾直仁氏は、SAPジャパンがこうした課題に対応するために行ってきた取り組みとして、複数ある既存のデータウェアハウス(DWH)を仮想的に垂直統合するビジネスインテリジェンス(BI)基盤「SAP BusinessObjects BI 4.0」、加えてDWHの高速化を目的としたインメモリデータベース「SAP HANA」などを挙げた。
瀬尾氏は「しかし、そこで問題になるのは、仮想統合の整合性を保証するメタ情報の一元管理や、分析のソースとなるデータ品質の確保。今回リリースするInformation Stewardは、その解決策となるソリューションだ」とした。
Information Stewardは、SAP BusinessObjectsの企業情報管理(EIM)ソリューションの一部として提供されるもので、データ管理にまつわる、プロファイリング、メタデータ管理、データ品質評価・監視、クレンジングパッケージビルダーソリューションを一体化したものとなる。同社ソリューション営業統括本部 BA&T事業開発 EIM事業開発マネージャの坂本環氏は、「他社でもそれぞれ、個別のソリューションは提供しているが、それを単一のパッケージとして提供することで、企業システムのシンプル化に貢献できる」とする。
坂本氏は、企業データの管理や品質向上に関して、IT部門と業務部門が分断されていることに由来するさまざまな課題があるとする。例えば、IT部門では「データ品質の評価を行うための一貫性のあるプロセスがない」「データ品質を高めるための方針とルールがない」「データ資産の再利用はわずかで、重複データが多い」といった問題を抱えていると同氏は指摘する。一方の業務部門では、「データのビジネス上の定義が不明瞭」「複数システム間のデータ依存関係を分析する術がない」「レポートなどで提示された数字やデータのソースが見えない」といった不満を持っているという。