小売り大手のトライアルカンパニーは新基幹システムの構築で、旧システムからのデータ移行基盤の整備を目的にデータ統合基盤「Informatica PowerCenter」を導入した。インフォマティカ・ジャパンが8月4日に発表した。
トライアルカンパニーは1949年創業、福岡県を拠点に国内と韓国、全136店舗を展開している。同社はこれまで、売り上げ、発注、仕入れ、販売、在庫といった業務機能ごとに切り分けた自社開発の基幹システムを運用してきた。店舗の業績を管理するPOSシステムや特殊な業務で利用したいシステムなど、多くのシステムが乱立する状態にあったという。
各業務ニーズに的確に応えるよう構築された、これらのシステムは手作りのプログラムによって相互に連携され、現場からも高い評価を得ていたという。しかし、ビジネスの成長に伴って店舗数も増加して、業務内容も複雑化、高度化し、対応が厳しくなることは必至だとしている。こうした背景から基幹システムを刷新することを決断した。
トライアルカンパニーは新基幹システムに従来の機能をそのまま使えるようプログラムを移植し、業務エリアごとに段階的に稼働させることにしている。そのため、一時的なデータ移行を確実に実行でき、旧システムと新システムが同時に稼働する期間にデータ連携が可能な製品を検討し、複数の製品を比較した結果、ビジネスの成長を支える拡張性の高さが決め手となり、PowerCenterを採用した。
すべてのデータはPowerCenterで連携する。新基幹システムは2010年9月の売上処理系システムの稼働を皮切りに、2011年末までに生鮮食品用システム、新データウェアハウス(DWH)、マスタ系システム、仕入れシステム、在庫管理システム、売上管理システムの切り替えを予定している。同社は新DWHとしてGreenplumを採用している。