大規模プロジェクト「ユーザー主導」は万能か--事例から考える

田中好伸 (編集部) 2011年08月25日 16時09分

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 大規模プロジェクトをどう捌いていくか。この命題はIT業界で常に意識されるものだ。発注するユーザー企業と受注するベンダー企業が1対1ならともかく、大規模プロジェクトとなると、さまざまなステークホルダーが絡むことになり、利害関係の不一致から意識のズレが生まれ、プロジェクト推進のボトルネックになってしまうというのは、誰しも経験することだろう。

 この命題に対してウルシステムズは「ユーザー主導開発」という回答を提唱している。ユーザー主導開発は、ユーザー企業が自らプロジェクトに積極的に関与することで、ムダのない適正なコストでシステム開発と人材育成が可能になるという考え方であり、ウルシステムズでは、システム開発の方法論とツールからなる知的資産を持っている。

 ユーザー主導開発を提唱する同社は、全日本空輸(ANA)の予約サイト「ANA SKY WEB」の刷新プロジェクトを支援している。同サイトは5月から稼働しているが、インフラ基盤をプライベートクラウドで構築しており、インフラ部分を伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が、アプリケーションをANA側が構築している。

 ANA SKY WEBは、1日に40万人以上が訪問し、年間3300億円以上を売り上げているという大きな事業だ。今回の刷新プロジェクトは2009年12月から動いており、ピーク時に300人以上がかかわる大規模プロジェクトだったという。

 ウルシステムズは2004年2月の大規模刷新プロジェクト支援に引き続き、今回の刷新プロジェクトでも発注者であるANAとANAグループのIT部門と一体になり、プロジェクトを推進したと説明している。

 今回のプロジェクトでウルシステムズは、会社や部門間をまたぐ横断的な協力体制の構築と調整役の一部を担った。ユーザー主導開発のノウハウを適用して、発注側の立場でベンダーコントロールや課題管理、性能面の管理、テスト計画の策定、品質や障害の管理などを強力に支援している。刷新後のANA SKY WEBは空席照会が10倍以上高速に処理できるようになり、収益増加への効果が期待されているという。

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