編集部からのお知らせ
宇宙ビジネスの記事まとめダウンロード
記事まとめ「テレワーク常態化で見えたこと」

求められた仮想環境でのパフォーマンスとスループットの保証 - (page 2)

聞き手・構成=田中好伸 (編集部) 文=吉澤亨史

2011-08-29 13:15

 VMwareでは、2006年に「DRS(Distributed Resource Scheduler)」と呼ばれる技術を導入しました。DRSは、複数のサーバの集合体の中でVMwareのスケジューリングを可能にするものです。DRSに8台、16台、あるいは32台のサーバを登録することで、複数台のサーバをひとつのマシンのように使えます。たとえば、メインフレームの時代には複数のプロセッサをひとつのOSでハンドリングしていくことがありましたが、それに近い感覚です。

 こういったDRSのアプローチを、今度はvSphere 5の中でストレージに適用しました。ストレージアレイ全体に対して、可用性の高いものや普通のものなど、サービス特性に基づいてクラス分けを行いグループを作成します。そしてアプリケーションの必要に応じて、最適なクラスのストレージアレイを割り当てられるようにしました。

写真1 Raghu Raghuram氏

 ストレージアレイのスペースが、アプリケーションの要求に応えられないほど足りなくなったときには、同等のストレージアレイに移していくことが可能です。こういった形でデータセンターの中で高度な自動化を推進できるのです。

導入進むSRM

――日本では基幹系やERPの仮想化は見えてこない状況ですが、米国ではこれらの仮想化は珍しくないのでしょうか?

 米国では、SAPの生産系アプリケーションの仮想化が進んでいます。米国だけでなく、たとえばドイツの自動車メーカーでは、vSphereのソフトウェアを使って組み立て工場を運営しています。

――現在の日本企業は、特にDR(Disaster Recovery)に注目してると思われます。震災以降、事業継続性をどう担保していくかという部分ですね。海外のSRMの導入事例はあるのでしょうか?

 SRMについては、VMwareにはグローバルで3000社以上の顧客がいます。vSphere 4は、ストレージアレイのレプリケーションに依存する必要がありました。しかし、vSphere 5はレプリケーションがビルトインで用意されています。このため、従来中心だった大企業だけでなく、より幅広いお客様に採用していただくことができるようになりました。すでに多くの成功事例があります。

 特に米国、北米の南東部では毎年多くのサイクロンが発生するため、このようなフレームワークを導入している企業が多くなっています。また、2010年にオーストラリアのブリスベン地域で嵐や洪水が続いた際にも、VMwareの製品がお役に立っています。

 日本国内でもSRMでリカバリの実例があります。3月11日の東日本大震災の際に、欧州企業の日本支店である会社が東京と関西でSRMを導入していた例があります。地震の発生でいったんサービスが落ちましたが、仮想化された部分は1日で復旧しました。

事業継続は人やプロセスも重要

――企業にとって、事業継続は売り上げを伸ばす方向の投資ではないため、コストをかけづらい部分であるといえます。SRMを導入しようとしても、上司が許可を出さないケースも多いと聞きます。こういう場合、どのようなセールストークをするのでしょうか?

 一般的に、企業には2つのタイプがあると思います。ひとつは、一部のビジネスアプリケーションに事業継続性を持たせなければならない業界の企業。こういった企業は、事業継続対策をやらなければならないことは理解しているので、ある範囲から効率が良くて柔軟性に富むベストな解決策を選ぶことになります。そういう企業にVMwareの製品を提供します。

 もうひとつは、それ以外の業界ということになります。このような企業に対しては、まず啓発から始めています。企業の事業継続性の戦略として、どのような要素を備える必要があるのか、VMwareの製品がどのような部分でお役に立てるかという説明から入っていくことになります。

 それはCIO(最高情報責任者)レベルへのメッセージであり、インフラ担当へのメッセージということになります。事業継続性の対策は技術の問題だけでなく、災害時の人の動き、プロセスの問題でもあるのです。

(後編は8月30日に掲載予定です)

Keep up with ZDNet Japan
ZDNet JapanはFacebookページTwitterRSSNewsletter(メールマガジン)でも情報を配信しています。現在閲覧中の記事は、画面下部の「Meebo Bar」を通じてソーシャルメディアで共有できます。東日本大震災の情報は、特設サイト「ZDNet Japan after 3.11」にまとめています。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

特集

CIO

モバイル

セキュリティ

スペシャル

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. クラウドコンピューティング

    MITスローン編著、経営層向けガイド「AIと機械学習の重要性」日本語版

  2. クラウドコンピューティング

    AWS提供! 機械学習でビジネスの成功を掴むためのエグゼクティブ向けプレイブック

  3. クラウドコンピューティング

    DX実現の鍵は「深層学習を用いたアプリ開発の高度化」 最適な導入アプローチをIDCが提言

  4. セキュリティ

    ランサムウェアを阻止するための10のベストプラクティス、エンドポイント保護編

  5. セキュリティ

    テレワークで急増、リモートデスクトップ経由のサイバー脅威、実態と対策とは

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]