大企業は国籍に関係なくデータセンターの課題が共通 - (page 2)

聞き手・構成=田中好伸 (編集部) 文=吉澤亨史

2011-08-30 06:00

 こういったものを提供することで、ビジネス部門で必要としている新しい機能を迅速に立ち上げることができるようお手伝いをしています。その結果、企業が売り上げを伸ばしたり、業績を向上させたりすることができます。

 最後のポイントとして、インフラ上のコスト削減ができる点が挙げられます。節約したお金を新しい、有用なアプリケーションの開発に向けられます。そうするとIT部門はビジネス部門の人にとって、より魅力的な重要性を持った存在になれると思います。

写真 Raghu Raghuram氏

現実解としてのハイブリッドクラウド

――日本ではハイブリッドクラウドが現実解だと認識されるようになっています。海外ではどうでしょうか。

 すべてのお客様は、ハイブリッドクラウドモデルに行きたいと考えています。私の考えでは、一定のアプリケーションは社内のデータセンターで保持し、一部の、特にウェブフェーシングのものはパブリッククラウドに置くというモデルを目指していると思われます。こういったシナリオはまだまだ日が浅いのですが、どんどん伸びていく分野だと思います。

――ハイブリッドでは、プライベートとパブリックを行き来するようなシステムが今後出てくると思われます。そういう動きはどう見ていますか?

 プライベートとパブリックを行き来できる能力は重要だと思っています。VMwareでは、それを実現できる製品として「vCloud Connector」を開発しました。お客様はプライベート、パブリック双方のクラウドでまったく同じツールを使って、アプリケーション実行中に管理およびセキュリティを担保することができます。ハイブリッドクラウドのツールとしては、VMwareはこういう方向性で進んでいます。

――海外の企業と日本の企業の違いは感じますか?

 VMwareは、日本を重要な市場と位置付けています。そのため、常に上級幹部の誰かが日本に来ています。今回、私が来日したのは、お客様やパートナーとのミーティング、そしてトレンドマイクロのセミナーで仮想化のセキュリティについて話をすることが目的でした。

 日本の企業についてですが、私がよくお会いする複数の大企業は、他国の大企業と同じ課題に直面していると感じました。そういった課題に私たちのソリューションは有効だと思います。

――大企業については、国籍は関係なくなってきているのでしょうか?

 どこの国の大企業でも、データセンターの運用や課題は共通しています。ただ、国によって特有の用件があります。たとえば、金融サービスでのデスクトップ仮想化には日本特有の規制があったり、データを格納する際の要件なども日本特有のものがあります。また、製品に関して日本語でのサポートを求められたり、ドキュメントやユーザーインターフェースの日本語化を強く求められるのも日本ならではですね。

――日本の情報システム部門は優秀だと思いますか?

 優秀だと思います。VMwareの代表的なお客様である東京三菱銀行、ニフティ、ソフトバンクなどの情報システム部門では、展開する前に私たちの技術を熱心にチェックし、理解しています。クレバーな人たちは、まだたくさんいると思います。

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