IDC Japanは9月14日、2010年の国内プライベートクラウド管理ソフトウェア市場の市場規模実績と2015年までの予測を発表した。2010年の市場規模は、前年比66.3%増の33億7900万円、2011年は同39.3%増の47億800万円になる見込みだという。IDCでは、2010年〜2015年の年間平均成長率(CAGR)は42.7%で成長し、2015年には200億円に達すると予測している。
IDCでは、「プライベートクラウド管理ソフトウェア」を、仮想化基盤上のITリソースに対して、ITリソース管理、プロビジョニング、オーケストレーションなどの「自動化」、サービスカタログ、サービスポータルなどの「サービス管理」、ITサービス使用量計測、課金などの「メータリング」の3つの機能を提供するソフトウェアと定義している。同市場は、2010年からデータセンター事業者や情報システム子会社などを中心にプライベートクラウドの構築が進んだことを背景として、立ち上がりを見せたという。
国内プライベートクラウド管理ソフトウェア市場の売上額の予測(出典:IDC Japan)
同社が5月に国内企業245社を対象に実施したユーザーアンケート調査では、既にサーバ仮想化を実施している企業のうち、プライベートクラウドの構築を進めている企業は36.7%、今後の計画に入っている企業は17.7%で、仮想化からプライベートクラウドへ進む意向のある企業は50%を超えた。このうち、およそ半数は2年以内にプライベートクラウド管理ソフトウェアの導入を予定しているという。現在サーバ仮想化の実施を予定している企業では、約75%がプライベートクラウドの構築を計画に入れているとしている。
IDCは、今後のプライベートクラウド管理ソフトウェア市場は、短期的にはサーバ仮想化からの延長として導入されやすいITリソース管理とプロビジョニングが市場をけん引していくとみており、2013年頃からサービス管理の本格的な導入が進んでいくと予測している。
IDC Japan、ソフトウェア&セキュリティ マーケットアナリストの入谷光浩氏は、「仮想化を実施している、もしくは予定している企業の多くは、プライベートクラウドを視野に入れている。ユーザーとベンダーは、プライベートクラウド管理ソフトウェアを活用して自動化、サービス管理、メータリングを実現した真のプライベートクラウドの構築を進め、企業のITの競争力をよりいっそう強固なものにし、お互いWin-Winの関係を築いていく必要がある」とコメントしている。