解説:iCloudが切り開くパーソナルクラウド--Lion Serverの機能から考える - (page 2)

福田 昌弘

2011-09-22 09:00

 プロファイルマネージャは、Mac、iPhone、iPadなど、Appleの製品に企業内や学校内でのグループポリシーを設定するツールだ。

 たとえば「福田」という人物がMacBookを使っているときには、起動できるアプリケーションはAとB、アクセスできるフォルダはXとY、といった制約を設定できる。Windowsでいうグループポリシーと同様の機能を提供している。しかも、プロファイルマネージャでは、MacBookやiMacなどのMac OS Xが動作するMacに加えて、iPhoneやiPadといったiOSが動作する携帯デバイスもポリシーの設定対象にできる。組織内でのグループポリシーに従って、iPhoneやiPadの利用を制御できるのだ。

 言い換えると、プロファイルマネージャは、企業内でiPhoneやiPadをきちんと管理しながら使用するためのツールということになる。

プロファイルマネージャを使えば、Mac OS Xに加えてiOSが動作するデバイスにもグループポリシーを設定できる
プロファイルマネージャを使えば、Mac OS Xに加えてiOSが動作するデバイスにもグループポリシーを設定できる

 組織のグループポリシーのもとでiPhoneやiPadを利用できるということは、すでにグループポリシーが適用されているPCと同様にiPhoneやiPadからもデータにアクセスできるということだ。実際には、先ほど示したように、セキュリティを確保する必要があるため、話はそれほど単純ではないだろうが、可能性はこれまでに比べてはるかに高い。

 もし、iPhoneやiPadから組織内のデータにアクセスできるようになれば、外出先や自宅からデータを参照したり操作したりする人たちが増えていくだろう。そのときには、iCloud上の音楽や映像のデータと、会社で扱っているデータに、その格納場所を意識することなく、同じ携帯デバイスから柔軟にアクセスできるようになると思う。

 それぞれのユーザーに合わせたクラウドサービス−−「パーソナルクラウドサービス」が始まろうとしている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    量子コンピューターの実用化がもたらす脅威とは?既存の暗号資産を守る“4つのステップ”を徹底解説

  2. セキュリティ

    攻撃者がクラウドを標的にする仕組みとは? CrowdStrikeのレポートから考察する

  3. 経営

    「作って終わり」のマニュアルを「活用される」マニュアルにするためには?

  4. セキュリティ

    脱「PPAP」で考える、重要なファイルを安全に送付・共有する最適解とは?

  5. コミュニケーション

    Slack 導入事例集 2023:伊藤忠テクノソリューションズはいかに営業チームを1つにまとめたのか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]