クラウドからデバイスまで「MSの強みは総合力」--日本MS 樋口社長 - (page 4)

柴田克己

2011-09-28 21:00

 仮想化を受け持つのは、Windows Serverに統合された仮想化技術である「Hyper-V」だ。梅田氏は、Hyper-Vによって仮想デスクトップインフラを整備した事例として北洋銀行を紹介。同行では仮想化の導入にあたって複数の技術を検討したというが、「パラバーチャライゼーションを行う64ビットハイパーバイザによる高パフォーマンス」「OSとの製品ライフサイクルの統一」「コストの削減」「障害対応の容易さ」といった点を評価し、Hyper-Vの導入を決定したとしている。

 一方、管理の自動化を受け持つのは「System Center」となる。製品候補版の提供が開始されたばかりの最新版「System Center 2012」では、システム全体の環境を統合した管理がより容易になるという。

 梅田氏は、同製品を用いた統合運用自動化の例として、システムの「縮退運用」シナリオを設定したデモンストレーションを披露した。

 縮退運用とは、節電要請などを受けて、稼働率の低いサーバなどの動作を停止。システム全体での省電力での運用を行うものだ。デモでは、総務部門の担当者が管理ツールのウェブコンソールから省電力運用のリクエストを送信。それを受けたIT管理者が、リクエストを許可することで、自動的に仮想マシンの集約と稼働ホストマシンの削減を行い、結果がレポートされる様子が披露された。また、リクエストに応じた処理については、GUIベースのツールにより、ドラッグ&ドロップを基本とした操作で設定が可能。従来のスクリプティングによる処理と比較して、大きく作業効率が高められるとした。

梅田成二氏
梅田成二氏

 「マイクロソフトの強みは、クラウドに対応するオンプレミスの製品を持っていて、それらをシームレスに使える点。今後はパブリックとプライベートを併用するハイブリッドクラウドのシームレスな管理などにも対応するほか、仮想環境におけるVMwareやLinuxのサポートもさらに強化していく」(梅田氏)

 樋口氏は、「日本マイクロソフトでは、社会貢献活動も行っているが、地域活性化において、ITで人や組織がどれだけ力づけられるかを実際に見てきた。日本は元気にならなければいけない。震災からの復興を超えて、日本を発展させていくにあたって、ITの面で強力に支援していきたい」と述べ、講演を締めくくった。

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