DBサーバ専用機「Oracle Exadata Database Machine」とアプリケーションサーバ専用機「Oracle Exalogic Elastic Cloud」を基盤とするOracle Public CloudはPaaSとSaaSを提供するが、その方針として「業界標準をベースに、相互運用性を重視した」という。そのためDatabase ServiceはOracle Public Cloudとオンプレミスのシステムの間を「行ったり来たりできる」としている。Oracle Public CloudのPaaSはOracleとAWSに載せられるが「Salesforce.comには載せないで下さい」と注意している。
Salesforce.comは、Rubyのクラウド基盤を提供するHerokuを買収しているが、Ellison氏はこれを「Herokuしか使えない。これはスタンダードではない」と批判。ここからかつてSalesforce.comのCEOであるMarc Benioff氏がEllison氏を「偽物のクラウドには気をつけろ」と批判したことに言及している。

「OracleはJavaや(標準団体が規格したビジネスプロセスモデリング言語の)BPEL、SQL、SOAといった標準をベースにしたクラウド基盤とアプリケーションを開発した。Salesforce.comはAPEXやHeroku、Force.comなどのベンダーのプロプライエタリなものでクラウド基盤とアプリケーションを開発している。OracleのFusion ApplicationsはOracleのクラウドやAmazonのクラウドでも動く。オンプレミスでも動く。Salesforce.comのアプリケーションはSalesforce.comの中でしか動かない。Salesforce.comにいったん入ったら出てくることができない。まるで(ロックバンドEaglesの)“ホテル・カリフォルニア”だ」(Ellison氏)
Ellison氏はSalesforce.comを「究極のベンダーロックイン(The Ultimate Vendor Lock-in)」とも批判している。
「Oracle Public CloudのFusion Applicationsはクラウドとオンプレミスの両方を選択肢として提供する。Salesforce.comは顧客が選べることを好ましく思っていない」(Ellison氏)
さらにEllison氏は、Salesforce.comが取るマルチテナンシについて「15年前はいい発想」としながらも、「みんなのデータを同じDBに置いてしまえ」と表現し、セキュリティ上の問題があると指摘する。それに対してOracle Public Cloudは「顧客ごとに仮想マシン(VM)とDBを分離する」ことでセキュリティを担保していると説明する。