Jobs氏にまつわる逸話や、彼の「語録」とでもいうべきものは、例の「Stay Hungry, Stay Foolish」をはじめして、すでに巷に溢れているから、ここでは割愛する。よく言われる同氏の「強烈な2面性」などについてもじっくりと書きたいところだが、そろそろ締切の時間も過ぎている。
そこで最後に、いま気になっていることをひとつだけ記しておく。
それは、昨年だったか、Jobs氏が休暇の隠密旅行で京都を訪れていた、という話についてのものだ。出国手続きかなにかに際して、手荷物検査でトラブルが起きて……みたいな形で話題になっていたと記憶しているが、私が気になっているのは、この時にJobs氏が「どこを訪れていたか」というその行き先である。
私の勝手な推測(確かめようもない空想)を先に書くと、京都を訪れたJobs氏は、仲良しのLarry Elison(Oracle CEO)が所有する「何有荘」という、その筋では有名な別荘を訪れていたのではないか、と思っている。
この立派な日本庭園を持つ別荘については、昨年に放送されたNHKの特集番組で目にしたことがあったが、その番組をぼんやり眺めながら、頭の中で思い浮かべていたのは、近年ではすっかり禅僧めいた雰囲気を漂わせるようになっていたJobs氏がその庭園を歩く、あるいは池の畔に佇む姿だった。
この憶測についても、もはや確かめる術がなくなってしまったのかもしれない。そう思うと、とても哀しい気持ちになる。
おしまいに。たまたま昨晩遅くに、AppleのiPhone 4S発表の中継を観た後で記していた己の戯れ言のなかの一節を紹介させていただく。これを持って、ささやかな「弔辞の言葉」に代えたい。
偉大な人の抜けた穴を埋めるのは難しい。 そのことがわかっていながら、その穴の存在に慣れることもまた難しい。
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