ビジネスライティング
堅苦しく、専門用語にあふれた実務一辺倒の文書は今や、ビジネスライティングの優れた見本とは見なされなくなっている。
今日のビジネスライティングでは、仰々しく詳細を書き綴るのではなく、情報を伝えるということに重点が置かれるようになっている。つまり、簡潔明瞭で親しみやすい文章と、ひと目で要点が分かるような構成が求められているわけだ。セキュリティポリシーを的確に記述するうえでも、こういった要素はすべて欠かせないものとなっている。
ジャーナリスティックライティング
新聞記者は、複雑なストーリーであっても、それを簡潔に伝える必要があるため、読みやすさに重点を置くことになる。ジャーナリスティックライティングとは、読み手のレベルを書き手のレベルに合わせるように求めるものではなく、書き手が読み手のレベルに合わせていくものなのである。
新聞記事の内容は、重要性の高いものから順に並べられている。そして要点となる事実すべては最初の段落で記述され、その後に該当事実を裏付けるデータが続くようになっている。また、記事そのものは読みやすい語り口となっており、難しい表現を避け、図や枠囲みなどで視覚に訴えかけるようにもなっている。さらに、引用や関連画像、例を挿入することで内容に人間的な暖かみを付加し、記事を親しみやすいものにもしている。従来の慣習にとらわれることなく、こういった要素を取り入れることで、ポリシーの読み手に訴えかけ、身近なものとして読んでもらえるような方法を考えてみてほしい。
社会人向けの学習教材
うまく記述されたセキュリティポリシーには、社会人向けの学習教材でよく見かける、以下のような基本的なアプローチが取り込まれている。
- 読み手に対して、知っておくべき理由や、学んでおくべき理由を示している。
- 身近な経験を例として紹介している。
- 読み手に対して、実践するための方法とともに、意志決定プロセスに参加するための方法を説明している。
- 内容が読み手の職責や、仕事上の成功に直結しているということを示している。
- 簡単な説明に終始するのではなく、問題とその解決方法を中心に据えている。
- 実践することの意義を示し、読み手自身のやる気を引き出している。