IONで統合させるものとして提供されるミドルウェアが「Infor10 ION Suite」だ。Infor10 IONはInforのアプリケーションとInfor以外のアプリケーションをつなげて統合して、情報を共通の形式で同じリポジトリ内に格納できる。
Infor10 IONでアプリケーションの間を流れる情報や分析データ、ソーシャルメディアのストリームに、PCやiPadなどのモバイル端末からもアクセスできるようになる。Hager氏はInfor10 IONについて「アプリケーションをシンプルにし、そしてモダンにしていく」とそのメリットを強調している。
Infor10では、コンシューマライゼーションの波にも対応する。ユーザーインターフェース(UI)基盤として「Infor10 ION Workspace」を用意する。Infor10 ION Workspaceは、エンドユーザーごとにすべての関連情報を同一の画面に集約して表示することができる。
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役割ベースのワークフローや処理すべきタスク、アラート、状況に応じたBI機能、イベント管理、ソーシャルメディアでのコラボレーション、エンドユーザーがかかわる業務のストリームが表示される。消費者向け製品と同じ感覚で使える検索機能も同一画面に表示される。TwitterやFacebookなどのサービスと同じユーザー体験を期待するエンドユーザーに向けた機能と言える。
「今のERPでは、机に張り付いてデータをフォームに入力するという悲しい現状がある。Infor10から歩み寄り、何かのイベントがある度にデータを入力できるようになっている。消費者向けと同じユーザー体験をもたらすことができ、大きな革新だ。ほかの企業向けアプリケーションでは進んでいない」(Hager氏)
Infor10ではクラウド対応も進めている。ソフトウェア管理基盤として「Infor10 CloudSuite Platform」も提供する。Infor10 CloudSuite上ですべてのビジネスアプリケーションを稼働させられるとともに、中核となるビジネスアプリケーションをオンプレミスで稼働させながら、非中核のビジネスアプリケーションをSaaS型としてクラウド内で稼働させるといった使い方が可能になる。
エンドユーザーが得られる機能と見た目や使い勝手は全く同じものと説明している。Hager氏は「Infor10 CloudSuite Platform上にのせたアプリケーションはマルチテナントの環境でも展開できる」とメリットを強調している。
Infor10では今後、業界特化型の統合アプリケーションを展開していく。だが、これまで同様に個別のアプリケーションを単体でも提供することを日本インフォアは明らかにしている。