101年目のスタートを担う新CEO
ルイス・ガースナー氏が、大胆な構造改革によってサービス事業に大きく舵を切ってから15年以上が経過した。2002年にCEOに就任したパルミサーノ氏が、PCやプリンタ、ハードディスクドライブなどのコモディティ化が進むハードウェア事業を相次ぎ売却し、高付加価値事業にリソースを集約。2008年には「スマーター・プラネット(Smarter Planet)」を打ち出し、次代の情報技術の方向性を示し、そのなかでIBMが果たす役割を示してみせた。
この流れをさらに加速することができる人材として、ガースナー氏、パルミサーノ氏の手法を学び、IBMの中核部分を担ってきたロメッティ氏はまさに適任というわけだ。
パルミサーノ氏は、「ジニー(=ロメッティ氏)はこの10年間に、IBMグローバル・ビジネス・サービス部門の設立から新興国市場の開拓まで、IBMの最も重要なビジネスをいくつも成功に導いてきた。彼女はひとりの最高に優秀な幹部以上の存在」と評し、「長期的な戦略的思考やお客様志向は、クラウドコンピューティングやアナリティクスからワトソンの商用化まで、我々の成長に向けた取り組みにみることができる。彼女はCEOとして、ビジョン、お客様志向、たゆまぬ推進力、そしてIBMの社員や会社の未来に向ける情熱を卓越して併せ持っている。取締役会と私は、ジニーがIBMを次の100年に導く理想的なCEOであると合意した」とのコメントを発表している。
一方で、ロメッティ氏は、「IBMをリードする機会を、とくにこのタイミングで得るほど光栄なことはない。サム(=パルミサーノ氏)は、コンピューティングテクノロジ、我々の業界、そして世界経済が歴史的に転換していくという信念のもとで、会社を大胆に変革してきた。そして、それらは現実となった。今日、IBMの戦略やビジネスモデルは的確だ。お客様や株主に一貫した成果を推進し提供するIBMの力は強力であり、これはサムのリーダーシップ、統制力、そしてIBMとその社員が未来を牽引するのだという、ゆるぎない信念によるもの。サムは何よりも、IBMを変革し続けなければならないことを教えてくれた」としている。
米IBMは今年、創業100周年を迎えた。秤やタイムレコーダー、会計機からスタートした同社は、全世界で40万人の社員を抱え、2010年には約990億ドルの売上規模に達している。
101年目のスタートを担うロメッティ氏は、新CEOとしてどんな手腕を発揮するのか。まずは就任直後に発表されるであろう、社内に向けた声明に注目しておきたい。
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