GoToMeetingにチームコラボレーション機能を追加
「人を中心としたコラボレーション環境」として、シトリックスが用意しているサービスとしては、ウェブを通じたHDビデオと音声による遠隔会議システムである「GoToMeeting」がある。今回のSynergyでは、このGoToMeetingにスペイン語版とイタリア語版が追加されることに加え、新たに「GoToMeeting Workspace」と呼ばれる、チームベースのコラボレーション環境が追加されることが発表された。
このWorkspaceでは、あるプロジェクトに関わっているチームのメンバーで複数の文書を共有することができる。共有はブラウザへのドラッグ&ドロップで行え、それぞれの文書のプレビューやコメントの共有、文書にひもづけたディスカッションも行える。もちろん、Workspace上の文書を共有した状態でビデオミーティングへ移行することも容易だ。さらに、チームに所属していないメンバーと文書を共有したい場合は、共有用のテンポラリなURLを発行することも可能になっている。クライアント環境はPC、Mac、iPhone、iPad、Androidの各デバイスに対応しており、2012年前半のリリースが予定されている。
ShareFileの技術を取り込んだReceiverを提供
ユーザーにひもづけられたアプリケーションへの、デバイスを問わないアクセスの面では、ユニバーサルクライアントである「Citrix Receiver」が中心的な役割を果たす。XenAppフレームワーク上で配信されるアプリケーションへ、Mac、PC、Android、iOS、Chromebookといった広範なデバイスからアクセスするReceiverには、今回買収が発表されたShareFileの技術が統合され、Receiverを使って作成したドキュメントのShareFileでの同期や共有が可能になるという。「Citrix Receiver with follow me data」と呼ばれるこの機能は、今四半期中にテクノロジープレビューが公開される予定だ。
このデータ同期の機能は、「Follow-Me Data Fabric」と呼ばれる、より広範なデータアクセス一元化のコンセプトをベースとしている。これは、ローカル、データセンター、クラウドといったさまざまな環境にあるストレージを抽象化した上で、認証や検索、同期、セキュリティといった一元的に管理されるべき機能のレイヤを提供し、APIベースでGoToMeetingやCitrix Receiverをはじめとするさまざまなアプリケーションからのアクセスを受け付けるという。
「この機能を“企業向けのDropbox”だと評する人がいたが、私としてはビジネスユースのiCloudに近いと考えている。これにより、個人がどこでも、どのデバイスを使っていても、いつもと同じアプリケーションを使って継続して仕事をするという環境を実現できる」(Templeton氏)
- iPadでエクセル、パワポ、ワードを使う:Citrix Receiver for iPadを試す
- Androidでエクセル、パワポ、ワードを使う:Citrix Receiver for Android
企業内のネットワークとなる「Private Cloud」、商用のXaaSである「Public Cloud」に対するシトリックスの最新の取り組みについては、追って別の記事で紹介する。