情報求める販売店が多いスマホ
2つめのスマートフォンについては、ユーザーへのソリューション提案とともに、自社の戦略ツールとしての導入にも注目が集まっているという。
「これまでは個人のツールという位置づけが強かったスマートフォンだが、ビジネスツールとしてどこまで活用できるのか、その際のセキュリティはどうなのか、ソリューションを作り込む際にどんな点に留意しなくてはならないのかといった点で、情報を求めている販売店が多い。また、実際に社員に持たせてみたいが、どの程度の投資効果が得られるのかといった関心も高い。スマートフォンやタブレット端末については、まだ手探りの状態である会員会社が多く、その点でも協会側から積極的にサポートしたい」と語る。
11月17日には「スマートフォンのビジネス活用、その展望と課題」と題したセミナーとバネルディスカッションを開催し、スマートフォンの企業導入における手法と、システム構築、運用、活用などについて、ソフトバンクモバイル、日本マイクロソフト、オープン・エンベデッド・ソフトウェア・ファウンデーション(OESF)の各担当者が講演。iPhone、Windows Phone、Androidのそれぞれの機器に関して説明が行われる。
事前登録すれば会員外の企業でも参加できる(会員外企業はセミナー1名参加につき3000円)。
中国は市場性を探る段階
3つめは、中国である。
システム系販売店の関心は「中国市場への取り組みについては、各社ごとに目的が異なるものの、事業拡大のチャンスとして中国市場を捉えているシステム系販売店は多い」とするが、「とはいえ、中国を直接的な市場として展開しているシステム系販売店は少ない。ソリューション開発のオフショア拠点として中国に進出しているシステム系販売店のほかに、中国に進出している日系企業をサポートするために進出している例もある。中国市場は、システム系販売店にとってもビジネスの可能性がある市場だというのは共通認識だが、まずはその市場性を知りたいという段階にある」とする。
同協会では、今年度の活動として、中国市場の視察ツアーを2回企画している。すでに北京への視察ツアーは終了しており、11月には上海への視察ツアーを計画している。
「参加者の日程を考慮したため2泊3日の短いものだが、レノボや杭州ハイテク技術産業開発区の視察などを通じて、中国市場の規模の大きさ、潜在需要の大きさを感じてもらうとともに、ビジネスチャンスを模索してもらうためのツアーを目指している」と語る。
クラウド、スマートフォン、中国というシステム系販売店の関心事は、いずれもまだビジネスには直結していないというのが実状。だが、これらのテーマに乗り遅れることに対する危機感や、わずか数カ月後にはビジネス化しなくてはならないという立場から、焦りを持つ販売店もある。短期間でいかに成果を出すかといったことも、これらのテーマには共通した要素だといえるのかもしれない。