富士通は、オープンソースの分散ファイルシステム「Lustre」の開発協力で、米Whamcloudと基本的な条件で合意したと発表した。
LustreはHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)分野で採用が多いファイルシステム。両社は今後、Lustreを標準ファイルシステムとして推進し、性能と信頼性の向上を目指す。共同開発の成果は、Whamcloudと協力してLustreコミュニティにフィードバックしていく。
WhamcloudはLustreのソリューションやサポートを提供する企業。11月9日(米国時間)にはLustre向けの運用管理ソフト「Chroma」をリリースしている。同社CEOのBrent Gorda氏は「LustreはHPCで最も広く使われているファイルシステム」とコメント、TOP500スーパーコンピュータサイトの70%で利用されているという。
「富士通の厳しい品質基準はよく知られており、この契約によりLustreの将来にわたる信頼が大きく強化されると確信しています」(Gorda氏)
一方の富士通は、Lustreベースの分散ファイルシステム「FEFS」を開発し、10月に販売を開始している。また、京ベースのスパコン「PRIMEHPC FX10」の開発と販売、東京大学へのスパコン導入など、スパコン/HPC分野で活動を活発化させている。11月14日(米国時間)には、スパコンの計算性能ランキング「TOP500リスト」で、理化学研究所と共同開発した「京」が2期連続で1位を獲得したことが話題になっている。
富士通 次世代テクニカルコンピューティング開発本部 本部長の追永勇次氏は、「Whamcloudと協働することで、性能と機能を強化し、スーパーコンピュータの能力を新しいレベルに高めることをめざしています」とコメントしている。