百貨店大手の三越伊勢丹ホールディングス(HDS)は、予算計画・実行管理アプリケーション「Oracle Hyperion Planning」を採用したグループ管理会計システムを稼働させている。日本オラクルが11月24日に発表した。
三越伊勢丹HDSは、三越と伊勢丹が2008年に設立した持ち株会社。傘下では百貨店事業のほかにクレジットカードや専門店などの事業を展開している。2011年までに三越と伊勢丹のシステム統合、首都圏事業会社の合併(現在は三越伊勢丹)など、会社、業態機能の統合と構造改革を前倒しで実施してきている。事業やシステムの統合を成長の原動力として、今年10月には食品宅配サービスの三越伊勢丹エムアイデリを始めている。
顧客の動向を把握して、ニーズに応える高品質なサービスを提供していくために、経営情報をもとに迅速で的確な意思決定が不可欠として、Hyperion Planningを活用した管理会計システムの構築を決めている。新システムでは、各店舗とグループ全体での収益管理を担う管理会計を実行している。
三越伊勢丹HDSは、これまで培ってきた管理会計の仕組みをもとに、国内百貨店全体に展開している。新システムの稼働で、各店舗と総務・経理・経営企画などグループ統括部門が責任を持つ利益とコストが明確になり、店舗や地域事業会社だけでなく、グループ統括部門の横串による損益管理の仕組みも実現している。
新システムは、伊勢丹で使っていたモデルをベースに、三越との統合で機能を拡充し、2010年4月から国内百貨店全体に地域別に順次展開している。今年4月に三越伊勢丹への展開が完了して、三越伊勢丹HDS全体のシステムとして稼働している。
アプリケーションは、段階的な事業構造変化に対応可能であり、柔軟性などを評価した結果としてHyperion Planningの採用を決めている。導入プロジェクトは、プライスウォーターハウスクーパースが支援。同社はHyperion Planningの導入実績と管理会計改革のノウハウがあるという。