KVH、東証コロケーションのサポートベンダーに--HFTなど低遅延重視の投資家に

田中好伸 (編集部)

2011-11-24 15:50

 通信サービス事業者のKVHは11月24日、コロケーション・サポートベンダーとして東京証券取引所(東証)の「東証コロケーションサービス」を2012年1月から提供することを発表した。東証コロケーションサービスは、東証の売買執行などのシステムがあるプライマリサイトに取引参加者が機器を設置するものだ。

 同サービスは、日本でも普及しつつある高頻度取引(High Frequency Trading:HFT)など、東証市場との低遅延性を最重要視する投資家に適しているといわれている。東証のプライマリサイト内に機器を設置することで、東証の売買システムや相場報道システムの距離が極小化され、気配情報の取得や注文の送信に、それぞれ片道数十マイクロ秒以下に短縮できる。

 KVHは、東証コロケーションサービスの利用者を対象に、東証のネットワーク接続サービス「arrownet」をはじめ国際専用サービスやサーバなどの機器の調達、設定、テスト、導入、リモート監視などのシステム稼働前から運用まで、日本語と英語できめ細かいサポートサービスを提供する。海外から東証の高速売買取引に参加する機関投資家は、システムの構築や保守に伴う作業をKVHに一括で任せられる。日本に拠点がなくても、売買のために低遅延な接続環境を容易に得ることで円滑な取引が可能になるという。

 同社は、自社の光ファイバー網と日本国内の主要取引所に近接するKVH東京データセンターを基盤に、1カ所から複数の取引所への低遅延取引に最適という「KVHプロキシミティサービス」を提供している。東証コロケーションサービスのサポートベンダーになることで、プロキシミティから取引所コロケーションまで、機関投資家の取引戦略に応じたソリューションを提供することになる。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

  2. セキュリティ

    情報セキュリティに対する懸念を解消、「ISMS認証」取得の検討から審査当日までのTo Doリスト

  3. 運用管理

    IT管理者ほど見落としがちな「Chrome」設定--ニーズに沿った更新制御も可能に

  4. セキュリティ

    シャドーITも見逃さない!複雑化する企業資産をさまざまな脅威から守る新たなアプローチ「EASM」とは

  5. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]