今こそセキュリティをビジネスプロセスに組み込め--チェック・ポイントCEO

大河原克行 2011年11月29日 18時47分

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 イスラエルに本社を置くCheck Point Software Technologiesの創業者であり、会長兼CEOを務めるGil Shwed氏が来日し、11月29日に事業戦略などを説明した。

 このなかでShwed氏は「いまこそセキュリティを再定義し、セキュリティをビジネスプロセスに統合していくべきだ」という同社の考え方を強調した。

 冒頭にShwed氏は、2011年のIT業界がセキュリティに関して3つの課題に直面していると位置づけた。ここであげたのが統合化、仮想化、クラウド化という「インフラストラクチャー」と、スマートフォンやタブレット端末に代表される「モビリティ」、そして個人情報や企業情報などの「データの漏洩」だ。

チェック・ポイント会長兼CEOのGil Shwed氏
チェック・ポイント会長兼CEOのGil Shwed氏

 Shwed氏は「これらの課題に対して、個々には優れたセキュリティソリューションが登場してきている」としながらも、「しかし、これだけで企業が抱える問題に十分対応できるのかといった疑問がある。私は、セキュリティはビジネスを成功させるためのキーになるべきだと考えている。そのためには個別のセキュリティ製品で対応するのではなく、セキュリティをビジネスの一環として捉えたトータルソリューションが必要になる。技術の集積で対応するのではなく、ビジネスプロセスに組み込んだ形で包括的なセキュリティソリューションに目を向けなくてはならない」とした。

 セキュリティは技術の蓄積からビジネスプロセスの一環になるというのが、チェック・ポイントの提案だ。

 その具体的な製品とするのが「3D Security」である。

 ここでは、ビジネスニーズに即した「Policy」、人が参加するスタイルの「People」、セキュリティの統合によって簡単な管理を行う「Enforcement」の3つがポイントになるという。

 「ポリシーによって企業は何をしたいのか、何を達成したいのか、何が必要なのかということを明確にした上で、セキュリティを実行していくことが必要である。セキュリティはポリシーから始まることになり、ポリシーはセキュリティの主体部分である。ポリシーを社員に徹底しないと、知らずにソフトウェアをダウンロードしたり、マルウェアに浸食されたり、データを漏洩したりといったことが起こってしまう。だが、数百ページに渡るITセキュリティポリシーをすべて理解している社員は誰もいないという会社が多く、その内容は理解しにくいものであり、非実用的であった。これを変えていかなくてはならない。セキュリティポリシーはセキュリティの主体部分。会社の誰もが理解できるシンプルなものでなくてはならない」とする一方、「次に重要なのが人。サイバー空間で起こすミスが、脅威になることがある。これを的確に排除することが必要。そして、ビジネスプロセスにおいて、これらを統合した容易な管理環境を実現することも求められている」とする。

 こうした背景と同社の方針を説明したShwed氏は、「チェック・ポイントはビジネスプロセスとしてセキュリティを実行するツールと、セキュリティの専門知識をポリシーやコンプライアンスにどう統合するのかといった点にフォーカスしてきた」とし、その具体的な事例として、GRC(ガバナンス、リスク管理、コンプライアンス)といったビジネスプロセスに関するソリューションベンダーであるダイナセックを11月中に買収する点に触れた。

 「ダイナセックは、ビジネスプロセス管理(BPM)に関するノウハウを有しており、これを利用することでセキュリティの最新情報を得られるだけでなく、コンプライアンスに準拠しているのかどうかといった点に関するレポートも得られるようになる。これは3D Securityの機能を強化することにつながり、企業目標、ポリシー、セキュリティを、3D Securityのプロセスに統合し、セキュリティとコンプライアンスのシームレスなトータル管理が実現できることになる」などとした。

 この統合によって実現する新たな考え方に基づいた製品は、2012年から投入することになるという。

 同社では、3D Securityに基づいた製品として「CheckPoint R75」がその第1号製品だったと位置づける。

 CheckPoint R75のアプリケーション・コントロール・テクノロジーを使用することで、20万件の複雑なセキュリティログから、いま何が起こっているのか、何が重要なのかといったことを明確にし、これをわかりやすい形でセキュリティ情報として提供することができるという。

 また、人の関与では、送信しようとするメッセージがCheckPoint R75によってブロックされた場合に、何が原因なのか、どうしたら解決できるのかといった説明を明確に行う機能によって実現しているとの事例を示す。

 「セキュリティツールのほとんどがその理由を明確にしないため、エンドユーザーはその場で困ってしまう。だが、CheckPoint R75は明確な理由を示すことができるため、このメールをなぜ送信してはいけないのかということを人が理解した上で、メールを破棄することができる。セキュリティを実施するために、人が関与できる環境を実現するのがCheckPoint R75の特徴だ」という。

 一方で、チェック・ポイントが約2年前から投入しているSoftware Bladeアーキテクチャの取り組みについても言及。2011年初頭から、Application Control、DLP、Indentity Awareness、Mobile Accessの4つのSoftware Bladeを発表し、8月からは新たなSoftware Bladeを投入。URLフィルタリングやSSL暗号化トラフィックの検査機能などを追加したという。

 また、Shwed氏は「10月から新たな課題への挑戦を開始した。それはボットに対する革新的機能の搭載である。ステルス型ウイルスともいえるボットは、発見が難しく、既存のアンチウイルス技術だけでは対応ができない。新たなSoftware Bladeでは、あらゆるゲートウェイに対応し、ボットの攻撃を遮断することができる。これは来年にもリリースできる予定である」などと語った。

 最後にShwed氏は「チェック・ポイントは、セキュリティに関する数多くの専門知識を持ち、100%セキュリティに特化している企業。この軸は今後も変えない。その上で、より多くのアプライアンス、ソフトウェア、コンサルティングなどを提供していくことになる」と同社の方向性を示した。

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