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Red Hat Enterprise Virtualization 3.0 超入門(後編)

小島啓史 (レッドハット)

2011-12-05 17:44

 前編でRed Hat Enterprise Virtualization(RHEV)の概要について理解を深めたところで、ここからは実際にRHEVで利用できる管理機能について紹介していきます。

RHEVの代表的な機能

 仮想化統合管理製品のマネージャーである「Red Hat Enterprise Virtualization Manager(RHEV-M)」が提供するウェブインターフェースには、管理者向けのAdministrator Portalとユーザー向けのPower User Portalがあります。Administrator Portalへは、WindowsのInternet Explorer(IE)でアクセスできます。まず、IEを使用してアクセス可能なAdministrator Portalについて見ていきましょう。

 下記の図1は、IEを使用してRHEV-MのAdministrator Portalにアクセスした画面です。Administrator Portalから、RHEVの管理下にある仮想マシンの一覧が確認できます。

 この一覧表を例にとると、仮想マシンの名前、所属するCluster、仮想マシンが動作しているホストの情報、仮想マシンのIPアドレス、仮想マシンの現在の状態(電源オフ/オン)が確認できます。ここでのClusterとはグループ化されたホストを意味しており、RHEV-Mが構築した論理ネットワークやStorage Domain(ホストが共有するISOなどのイメージファイルの中心的なリポジトリ)や仮想マシンのスケジュールポリシーなどを共有します。Clusterは複数構築でき、同一Cluster内に所属するホストは同じプロセッサーベンダーの互換性のあるファミリーで構成され、異なるホスト間での仮想マシンのライブマイグレーションが可能です。

 また、Administrator Portalで利用できる主な管理機能には次のものがあります。

高可用性

 ホストと仮想マシンを継続的に監視し、ホストに障害が発生した場合は、そのホスト上で動作している仮想マシンを別のホストで自動的に再起動します。これにより仮想マシンの継続的なサービス提供を、システム管理者の介入なく行えます。

メンテナンス・マネージャー

 仮想マシンをシステム管理者が意識することなく、ホストのメンテナンスを可能にする機能です。ホスト上で仮想マシンが数十台動作していても、そのホストをメンテナンス状態にすると、それら仮想マシンのライブマイグレーションを自動的に実行します。

スケジュールポリシー

 ホストの負荷分散、または省電力機能を設定できる機能です。ホストのCPU使用率が予め設定された上限内に収まるように仮想マシンを分散します。また、夜間など負荷が下がる時間帯に、設定された下限と上限の間に収まるように仮想マシンを少数のホストに集約できます。これにより、残りのホストの電源を落として消費電力を削減できます。

スナップショット

 現時点での仮想マシンの状態を取得できます。これにより仮想マシンのロールバックが可能です。

テンプレート

 仮想マシンのOS、アプリケーションといった構成をまとめて、テンプレートにすることができます。テンプレートを利用して、その構成を持った仮想マシンを即座に作成することができます。

仮想マシンのインポート/エクスポート

 OVF(Open Virtualization Format)ファイルを利用した仮想マシン、テンプレートのインポート、エクスポートが可能です。これにより、仮想マシンの簡単なバックアップ、RHELに含まれる仮想マシン移行ツール「virt-v2v」と連携することによりVMware ESXからの仮想マシンの移行が可能となります。また、別のRHEVシステムへの仮想マシンの移動が可能です。

 なお、他にもホスト(RHEL限定)にあるローカルストレージを仮想マシンのディスクイメージの格納先として利用するように設定したり、ホストのNICでボンディングが設定できるといった機能があります。ボンディング(bonding)とは、複数のNICを束ねて1つの仮想的なNICとして扱うことを意味します。ボンディングにより、NICの帯域幅や冗長性を拡張できます。ボンディングは利用目的に応じて、7つの動作モード(0から6までの番号が割り当てられています)があり、そのうちRHEVで設定できるモードは、1、2、4、5の4つとなります。ここでは、よく使われるモード1についてのみご紹介します。

 モード1(active-backup)は耐障害性を提供します。1つのNICのみが通信に使用され、障害が発生した場合は別のNICに切り替わります。

 その他の動作モードおよびボンディングの設定については、「Red Hat Enterprise Linux Deployment Guide - Section 8.2.2. Channel Bonding Interfaces」「同Section 23.7.2. Using Channel Bonding」を参照してください。

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