インターネットイニシアティブ(IIJ)とマクニカネットワークスは12月7日、IIJのクラウドストレージ「IIJ GIOストレージサービス FV/S」とマクニカが国内総代理店として販売しているストレージアプライアンス「StorSimple」を組み合わせたバックアップシステムを2012年1月から提供することを発表した。
StorSimpleは、内蔵するSSDとSASドライブでブロックデータの仕様頻度に応じてデータの階層化(ティアリング)を行う機能を搭載している。頻繁に利用されるデータはSSDに、あまり利用されないデータはSASに、ほとんど利用、更新されないデータはクラウドストレージに保管するという使い方が可能になる。IIJ GIOストレージサービス FV/Sは、HTTPS/RESTインターフェースをAPIとして提供するクラウドストレージ。
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提供されるバックアップシステムでは、StorSimpleに保管されたデータをIIJ GIOストレージサービス FV/Sのサーバに自動的にバックアップされる。バックアップ先にクラウドストレージを活用することで、データの増減にあわせた容易なストレージ拡張ができる。バックアップストレージ環境の構築や運用管理にかかるコストを抑えられるとしている。REST API型クラウドストレージであり、StorSimpleがAPI連携をサポートしていることで、データ連携でユーザー企業側での追加開発は必要ないという。
企業が扱うデータ量は増加の一途を辿っており、それにあわせてストレージシステムの拡張を続けるのはコストや運用管理の面から限界に来つつあるとされている。その一方で内部統制や事業継続計画(BCP)の観点から、ストレージに格納されるすべてのデータを安全な場所に長期保管することが求められてもいる。そうした状況から、クラウドサービスの利用を検討する企業があるが、セキュリティ面の不安から導入を断念するケースも多いと指摘されている。
マクニカでは、StorSimpleは「AES 256」によるデータ暗号化機能を標準で搭載されていることから、クラウドストレージにネットを介してデータの保管やバックアップを展開する場合でも、セキュアにデータを転送できると説明。データは暗号化された状態でクラウドストレージに保管されることから高いレベルでセキュリティを担保できるとしている。