PC3500台をカスペルスキー製ソフトで一元管理--定義ファイル更新も管理

田中好伸 (編集部)

2011-12-13 15:45

 中央出版を傘下に抱えるティーエムホールディングス(愛知県愛知郡)は管理業務を受託している関連会社約3500台のPCに「Kaspersky Work Space Security」を導入した。カスペルスキーが12月13日に発表した。

 中央出版は教育図書や教材、教育システムなどを企画、制作する事業を展開。教育や出版などの事業戦略を統括する持ち株会社のティーエムホールディングスは、中央出版など傘下の各社、関連協力会社などの管理業務を請け負っている。ティーエムホールディングスの情報化推進室は、各社の情報システムの構築や運用管理を担い、情報化戦略を支援している。

 情報化推進室が管理する情報システム網は4つあり、中央出版を中心にした主要網だけでも、データセンターを中心に約260拠点を結んでいる。そのほかを含めた総拠点数は約350カ所であり、クライアントPCは3500台を超えている。

 クライアントPCは4年ほど前までそれぞれ独自に調達していた。セキュリティソフトの導入や管理も、各社の担当部門に任していたため、どのバージョンが導入され、バージョンアップされているのか、定義ファイルが確実に更新されているのか、一部を除いて情報化推進室が把握できる状況ではなかったという。これらからティーエムホールディングスはITガバナンスやセキュリティ管理の観点から、機器調達をはじめクライアント運用管理ソフトの導入で統合管理を情報化推進室に一元化することを決めている。

 クライアント用の新しいセキュリティソフトの要件としては、ウイルス対策に加えて、スパイウェアも含めたマルウェアからの防御、侵入防御システム(IPS)機能を搭載するパーソナルファイアウォールなど総合的なエンドポイントセキュリティを満たすこととしている。それまで実現できていなかったクライアントPCのセキュリティ管理を一元化することを目的にWork Space Securityを採用している。

 Work Space Securityは、ノートPCを含むワークステーション向けウイルス対策ソフト「Kaspersky Anti-Virus for Windows Workstation」と「Kaspersky Anti-Virus for Linux Workstation」、運用管理ツールの「Kaspersky Administration Kit」で構成される。Work Space Securityを採用した理由は、定義ファイルの更新頻度が高く、未知の脅威を含めた検知率の高さと総合的な保護対策のコストパフォーマンスと説明している。

 Work Space Securityの導入で得られた最大の効果は、Administration Kitによる統合一元管理が可能になったことだという。エンドユーザー任せだった定義ファイルの更新や定期的なスキャンが情報化推進室で管理され、全クライアントPCのセキュリティレベルを最新状態に保てるようになっていると情報化推進室は説明している。

 今後ティーエムホールディングスは、運用中の情報システム網を更改し、広帯域化を図る計画。各社や各部門に置かれているファイルサーバを本部のデータセンターに集約して、データの管理や保護を強化する。ファイルサーバのセキュリティ対策としてWork Space Securityのファイルサーバ向けソフトウェアの導入も検討する方針としている。

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