(3)の「クライアントPCを紛失した場合でもデータ漏洩しないようにする」ニーズについてはほかと比較した場合に「ハードディスクを暗号化する」といった手段が多く挙げられており、「安価なPCをシンクライアント専用端末として利用する」「シンクライアント専用端末を導入する」が次いで多いという結果だ。既存PCに対してはハードディスク暗号化が選ばれ、既存PCを持ち出すことができない、または社外で利用するために専用端末を新規に導入する場合は、ソフトウェアかハードウェアでシンクライアント環境を実現するといった対策が取られていることが明らかになっている。
(4)の「複数のクライアントPCに一括してアプリケーションなどをインストールする」というニーズでは、「ソフトウェア的手段で既存クライアントPCをシンクライアント化する」「シンクライアント専用端末を導入する」といったシンクライアントによる対策に加えて、「運用管理ソフトウェアを既存のクライアントPCにインストールして活用する」が多く挙げられている。最近の運用管理ソフトウェアはアプリケーションのインストールや起動の許可まで細かく設定できる。アプリケーションの配布機能を搭載するものもあり、複数PCに対する一括インストールも可能になっている。
こうしたクライアントPC関連の解決策として「シンクライアント」に関するものがいくつか挙げられている。だが、クライアントPCの筐体に関するデータを見ると、シンクライアントの導入が増える兆しは見えてこないと説明する。ユーザー企業はシンクライアントを想起するが、実際の導入には至っていないという課題があることを示していると分析している。
「ニーズがあるが、ユーザー企業がシンクライアントしか手段がないと思いこんでしまう」ということが起きないよう、クライアントPC関連のソリューションを提供する側は、数多くの手段があることをユーザー企業に啓蒙することが重要になってくると提言している。
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