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SGシステム、物流業界対象のコミュニティクラウドサービス

田中好伸 (編集部)

2011-12-27 17:01

 情報システム子会社をどう位置付けるか。この課題は大企業にとって悩ましい問題と指摘できる。

 特定の業界に特化したシステム構築能力をグループ外に外販できるのではないかという思惑から、情シス子会社を“プロフィットセンター”として活用しようという動きがかつてあった。

 しかし、当初の思惑通りに販売は伸びなかったことから、情シス子会社を本来のグループ内の専門機能会社に位置付け直すという動きが近年見えている。その一方で、ITベンダーとの合弁会社にして、ITベンダーの営業力で外販を強めるという動きもある。

 佐川急便を中心にしたSGホールディングスグループでITシステム事業の中核となるSGシステムはSaaS型荷物追跡システム「トラッキングマネージメントシステム」を10月から提供している。

 SGシステムは、佐川急便の「全国貨物追跡システム」開発を契機に1983年に設立された佐川コンピューター・システムが前身。2010年に現社名に変更し、物流インフラを担うSGホールディングスグループでのITの中核企業となっている。

 同社は、同グループの情報システムやネットワークを支える企業として事業を展開してきている。蓄積されたノウハウを活用して、これまで開発してきたプライベートクラウド基盤上の物流システムを、利便性を損なわずに誰もが手軽に利用できることを目指して、コミュニティクラウド型の物流サービス「Biz-BLUE」を提供している。トラッキングマネージメントシステムはBiz-BLUEの第1弾のサービスとなる。

 Biz-BLUEは物流業界を対象にしたコミュニティクラウドであることから、新たに基盤を構築する必要があったという。構築の要件としては、将来的な拡張方式としてスケールアウトが前提、信頼性や高いセキュリティの確保も念頭においた。

 スケールアウトのメリットは、サーバやストレージを追加するだけでシステムを増強できることが挙げられる。だが、サーバやストレージの台数が増えることで、システム全体の構成が複雑化してしまい、運用管理コストが増加するという課題も存在する。

 SGシステムは複数のベンダーに提案依頼書(RFP)を提示し、ネットワンシステムズを選択している。ネットワンは、当初SGシステムが考えていたシステム構成を上回る提案を示したという。加えてSGシステムに対して技術研究やシステムの稼働検証を行うテクニカルセンターへの見学や新規導入製品に対する説明会を通じて、高い技術力を示したことも選定の理由としている。

 Biz-BLUEは、シスコシステムズのレイヤ3スイッチ「Cisco Nexus」とIAサーバ「Cisco Unified Computing System(UCS)」、ヴイエムウェアのハイパーバイザ「VMware vSphere」、EMCのストレージ「EMC VNX」で構成されている。

 UCSをシステムの中心に置くことで、ネットワークとサーバを融合して、システム全体の仮想化を実現できたという。UCS導入の効果として可用性と運用管理の面で、USCのメリットであるケーブリングの簡素化、Nexusによるネットワークとストレージアクセスの集約化で、システム全体の構成やケーブル配線をシンプルにまとめて、運用担当者の負荷を軽減できたとしている。

図 今回のシステム構成

 UCSはSGシステムにとって初めて導入する製品であることから、運用者の知識やスキルに不安があったという。ネットワンは独自の教育プログラムを組み上げ、運用管理担当者にスムーズな技術移管をすることで、SGシステムの不安を解消したとしている。

 プロジェクト全体が短期間であることから、Biz-BLUEで提供するアプリケーションの検討と同時並行でクラウド基盤の構築を進めてきたという。そのため、アプリケーションの仕様によって、これまで設計構築してきたシステム基盤の設定を変更する必要が出てくるなど、後戻りの発生もあったとしている。タイトなスケジュールだったが、期限内に構築を完了させるために、ネットワンがスケジュールをまとめ、プロジェクト全体の遅延を最小限に抑え、構築を完了させたと説明している。

 SGシステムは、Biz-BLUEについて「物流業界をメインターゲットにするクラウドサービス」と説明。その上で「倉庫内の荷物の移動を追跡する倉庫管理システムや車両管理システムなど、他業種への展開も考えている」と将来像を語っている。

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