IDC Japanは1月23日、国内ネットワーク機器市場のチャネル動向分析結果を発表した。成長分野であるデータセンターネットワークインフラと、移動体通信事業者向け市場での需要を捉えたネットワーク機器販売チャネルの業績が好調だという。
IDCによると、ネットワーク機器市場は成熟しており、成長が見込める分野は絞られてきている。現在では、モバイルトラフィックの急増やデータセンターインフラの拡大を背景として、データセンターや仮想化、クラウドインフラでのネットワークと、移動体通信事業者向けの市場が成長分野だという。IDCの分析では、こうした成長分野では販売チャネルが大きな成長を見込める領域であり、かつベンダーや製品に依然として市場流動性があることから、将来的にリーディングインテグレーターの地位を獲得できる可能性を残す市場だとしている。
データセンターや仮想化、クラウドインフラでのネットワーク分野では、ベンダー間およびインテグレーター間の競争が厳しくなっている。IDC Japan コミュニケーションズ シニアマーケットアナリストの草野賢一氏は、この領域について「国内外のベンチャー企業やオープンソースコミュニティの動きを捉え自社商品ラインアップを拡充することが重要である」とコメントしている。
一方、企業内のLANやWANに関するネットワーク機器分野は成熟市場となり、企業が採用するベンダーやインテグレーターが固定化、市場構造も硬直化の傾向があるという。しかし、レイヤ4-7スイッチや企業向け無線LAN機器などの需要が堅調で、かつ市場競争力の高いベンダー製品を取り扱う販売チャネルは、高い業績につながっているとIDCでは分析している。また、企業向けネットワーク機器分野でも固定化した市場構造を打破する可能性は残っているとみている。