日本IBMのソフトウェア戦略:ビッグデータ、ソーシャル、セキュリティ - (page 2)

冨田秀継 (編集部)

2012-01-23 19:43

2012年はビッグデータ、ソーシャル、セキュリティに注力

 日本IBMのソフトウェア事業は2012年、「ビッグデータ」「ソーシャルビジネス」「セキュリティ」を対象に重点的に力を注ぐ。

 マハジャン氏はビッグデータの特性を「3つのV」と表現した。

 構造化データと非構造化データが混在する状況を示した「Variety(多様性)」、間断なくデータが生成され続ける「Velocity(頻度)」、その結果として生まれる「Volume(量)」という3つのVだ。「Volume」にはデータの量という意味に加え、ビッグデータを分析するための膨大な「計算量」という意味も含まれている。

  • ビッグデータの3つのVに対応するIBMのソフトウェア製品

 こうした3つのVに対して、IBMは「コンプリートな仕組みを持っている」とマハジャン氏。従来型の構造化データの分析にはデータウェアハウスアプライアンスの「Netezza」を、大量の非構造化データにはHadoopベースの「InfoSphere BigInsights」を、そして超高頻度データのリアルタイム分析処理には複合イベント処理(Complex Event Processing:CEP)の「InfoSphere Streams」で対応するとしている。

 なお、テックバイザージェイピーの栗原潔氏は本誌特集「ビッグデータとは何か」で「IBMは最も総合的にビッグデータにアプローチできる立場にあると言えよう」と分析している。

 ソーシャルビジネス分野では社内向けSNS「IBM Connections」を軸に展開を図りたい考えだ。Wired誌によれば、1月1日付けでIBMの社長兼CEOに就任したバージニア・M・ロメッティ氏が社内向けの就任挨拶にあたってIBM Connectionsを利用したという。

 また、マハジャン氏は単一のソーシャルソフトウェアだけでは生産性の向上に寄与しないとし、この分野においても「コンプリートソリューション」が求められると強調。Connectionsをビジネスインテリジェンス(BI)の「Cognos」やプロジェクト管理の「Rational Team Concert」と連携させるなどして、より高い価値を提供できると述べた。

  • 社内向けSNS「IBM Connections」

  • IBMは「コンプリートソリューション」を提供できると訴える

  • Connectionsは他のソフトウェアとの連携に特徴を持つ

 セキュリティ分野でもコンプリートソリューションの提供を目指す。「現在のセキュリティの課題は、単一の製品では解決できない」(マハジャン氏)からだ。

 「セキュリティインテリジェンスが重要になる。毎日データを取りながら(通常とは異なる微妙な違いを検知することで)事件が起こる前に対応する。それが顧客の求めていることだ」(マハジャン氏)

 こうしたプロアクティブな対応には、ログの分析やビッグデータに関する技術が欠かせないが、IBMであればそれを一社で提供できるというわけだ。

  • 危機を予知してプロアクティブに対応するセキュリティインテリジェンスが重要になる

  • セキュリティ分野でも各層に対応する製品を揃える

ビッグ・アジェンダを支える

 マハジャン氏は質疑応答の中で、日本IBMが企業の変革を支援するために打ち出したビジョン「ビッグ・アジェンダ」に触れ、「ソフトウェアはビッグ・アジェンダを支える役割を担う」とコメント。「ビジネスにとってソフトウェアはもっと重要になる」とも述べ、統合された柔軟性の高いITインフラを構築するように提言した。

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