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IT支出:2012年はソフトウェアとサービスが増加--人件費は2.7%減の予想

田中好伸 (編集部)

2012-01-30 13:26

 ガートナー ジャパンの著名アナリストが1月30日、同社ウェブサイト「b3i(ビー・キューブ・アイ)」で2011年の国内IT支出を分析している。2011年は前年比2.5%減の22兆2790億円と推定している。分析したのは堀内秀明氏、山野井聡氏、亦賀忠明氏、松原榮一氏。

 欧米での経済低迷や日本国内市場の成熟化などの持続的なマクロ要因に加えて、東日本大震災とその後の電力不足といった突発事象が、日本企業のIT予算にネガティブな影響を与えたと分析。IT部門のリーダーがIT支出の可視化と最適化を通じて抑制を断行したと推察している。

 2011年のハードウェアの支出は、前年比10.1%減の1兆6321億円と推定している。ここでのハードウェアにはサーバやストレージ、プリンタや複写機、複合機(MFP)、クライアントPCが含まれる。

 2011年には、サーバを除いたすべてのセグメントが1ケタ後半か2ケタの減少になると予測している。特にPCへの支出は、震災や円高進行での需要・投資環境の悪化に加えて、2010年の景気対策による教育需要の拡大、企業のWindows XPへの駆け込み需要の反動を受け、20%近く減少する見通しと説明している。

 2012年は弱含みが続くが、2011年のような低迷状態からはひとまず脱却すると見ており、前年比2.3%減になると予測している。現在のハードウェア市場はすでに成熟市場と表現。ベンダーは、製品改良など継続的な努力をしているが、ユーザーの新たな購買意欲を強く刺激するには至っていないと説明する。

 こうした状況から脱却するには、外資系ベンダーはサーバやストレージといった領域で、クラウドやビッグデータを意識した新しいアーキテクチャに基づいたシステム製品を投入し始めているという。2012年は、多くのユーザーが、既存製品に加え、新しいシステム製品の存在を認識し、導入検討を開始する年になる可能性がある。この状況は、2012年が今後10年の新しいシステム製品時代の幕開けとなる可能性があることを意味していると予測している。

 2011年のソフトウェア支出は、前年比1.4%減の2兆197億円と推定している。震災後のユーザーの投資意欲の一時的落ち込みや業績悪化で、各種プロジェクトの凍結や延期も目立ち、新規のソフトウェア支出は明らかに減少したという。一方で、データベースなど成熟したインフラソフトウェアでは、支出の多くが保守契約によるものとなっていることに加え、万が一の事態を想定し、保守契約を打ち切ることに対する抵抗感が強いため、支出額の縮小幅は比較的小さいとしている。

 2012年については、大企業を中心にパッケージアプリケーションの展開や統合といったプロジェクトへの着手が徐々に進むと同時に、ビジネスのグローバル化に対応したアプリケーション基盤の構築やデータ統合の取組なども増え始めるものとみている。モバイル端末の業務活用ニーズが年々高まっており、モバイル向けのアプリケーションやセキュリティ、運用管理ソフトウェアなどが台頭してくるだろうと予言している。加えて、SAPやOracle、IBM、Microsoftといったメガベンダーがソフトウェアのライセンスからより多くの収益を上げることができるよう見直しを進めていることもあって、2012年のソフトウェア支出は前年比2.2%増と予測している。

 2011年のITサービス支出は前年比2.0%減の9兆3295億円と推定している。企業のIT支出の約4割を占めるというITサービス支出は、製品保守、コンサルティング、開発/システムインテグレーション(SI)、運用管理、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)などで構成される。

 2011年は、景況感の低迷懸念からITサービスのほぼすべての領域で支出が見直された。特に製品需要に連動する製品保守、新規プロジェクトのコンサルティング、開発/SIへの支出が削減の俎上に載った。運用管理のアウトソーシングも、ニーズこそ堅調だが、提供側にとってはコストリーダー優位の状況が顕著だったと説明している。

 2012年は、景気循環に呼応した投資再開がある程度期待できるが、国内企業のITサービス支出は総額9兆3800億円と前年から微増にとどまると予測している。リーマンショック後、目先の景気変動にとらわれず、継続的にITサービス支出の適正化に取り組むIT部門のリーダーが増えていると説明。ベンダーの選定や契約交渉の時のイニシアティブ強化、クラウドを含めたITサービス調達手段の多様化をテコに、日本国内では“適材・適所・適時・適額”のソーシング戦略志向が強まるだろうとみている。

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