IDC Japanは2月6日、国内企業を対象にした「国内ソフトウェア開発者の実態調査」の結果を発表した。ソフトウェア開発者がスキルを有する言語と、その中で最も使用している言語を見ると、C言語、Visual Basic、Java、C++、COBOLが上位5位まで共通する結果となっている。
スクリプト言語であるPerl、PHP、Python、Rubyの結果を見ると、Perlの方がPHPと比べてスキルを有する開発者が多いが、最も使用している言語の中ではPHPがPerlを上回っているという。
国内市場では、ソフトウェア開発者全体のうち、42.6%と最も大きな構成を占めているのは受託ソフトウェア開発者だが、組み込みソフトウェア開発者も15.5%と比較的大きな存在感を示している。厳しい経済環境の中で、現在ソフトウェア開発者が参画しているプロジェクトは、スケジュールと予算の制約が厳しい傾向が見られる。
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この2つの分野は、プロジェクト総予算が1億円以上の大型開発案件の占める割合が比較的多いことが共通しているという。今後需要が高まることが予想されるモバイルソフトウェアの開発者はまだ1割にも満たない結果としている。
プロジェクトで利用している開発手法を見ると、内訳はウォーターフォール開発が51.2%と過半数をわずかに超え、反復型開発が29.7%、アジャイル開発が19.1%という構成だ。市場販売用ソフトウェア、モバイルソフトウェア、組み込みソフトウェアなどのように、市場に販売することを目的としたソフトウェアを開発するケースで、反復型開発とアジャイル開発を採用するケースが多く見られるという。
このような分野では、新しい製品やサービスのリリーススケジュールの制約が厳しく、迅速かつ適応力の高いソフトウェア開発手法へのニーズが高まっているとしている。十分な品質を確保し、プロジェクトを円滑に進めるためには、高度なマネジメント能力が求められる。大型案件のように、プロジェクト遂行リスクの高いケースも同様に、マネジメントが重要になるという。ソフトウェア開発支援ツールベンダーは、プロジェクトマネジメントを支援するツールを供給できる製品構成を整備する必要があると主張している。
同社のソフトウェア&セキュリティシニアマーケットアナリストの冨永裕子氏は「ソフトウェア開発支援ツールベンダーは、差別化のためにコモディティ化の進んだ開発系製品ではなく、管理系の製品への投資と販売強化に注力する必要がある」と提言。「そのためには、国内最大の顧客基盤でありパートナー基盤でもあるシステムインテグレーターとのパートナー関係の強化が不可欠になる」とも主張している。