Facebookと業界の今後
ここで、FacebookのIPOがコンピューティング分野に与える影響という観点から考察を行ってみよう。同社のサービスやプラットフォームがソーシャルネットワーキング分野における重要な地位を占めるかどうかという興味深い疑問については、今回のIPOで答えが出されることになるだろう。MySpaceはかつてこの業界において大きな比重を占めていたが、今では話題にすら上らなくなっている。またGoogle+は、Googleという巨大企業が後ろ盾としてついているにもかかわらず、苦戦を続けている。一方、Facebookについては、今後どのようにして収益を生み出し、イノベーションを重ねていくのかという疑問についてはまだ答えが出されていないものの、同社が株式公開企業として運営されていくなかで、ある程度の答えが見えてくることになるだろう。
またFacebookのIPOによって、ソーシャルネットワーキング分野の成熟度が判定されることになるだろう。インターネットバブルの頃に「従来型の店舗」はすべて消えゆく運命だと言われていたが、実際にはようやくAmazon.comが業界に影響を与える雄として、Wal-MartやCostcoといった大手企業と肩を並べる存在になったところなのだ。FacebookのIPOはある意味において、ソーシャルネットワーキング分野の今後と、ソーシャルメディアが有望かつ成熟した製品へと成長できるかどうかを占ううえでの試金石となるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。