--三村社長自身はSAP日本法人の創業メンバーの一人であり、13年間に渡って様々な仕事に携わってきましたね。また、マッキンゼー・アンド・カンパニーでの経験、電気自動車のインフラ会社であるベタープレイス・ジャパンにも参画した経験がある。こうした経験は、いまの仕事にどう生きていますか。
三村:この3つの職能経験は、現在のコンカーの社長としての仕事に大きな影響があります。

コンカーの三村真宗社長
SAPジャパンでは創業に携わり、さらに多くの新ビジネス、新プロダクトの立ち上げにも関わってきました。いま、コンカーは日本において、まさに新たな事業を立ち上げようとしている段階にあります。その点で、SAPでの経験が生きていることはおわかりいただけると思います。
一方マッキンゼーでは、仮説を前提として戦略を立てて、企業が直面する課題の解決や成長戦略を描いていくことに取り組んできましたが、日本法人の今後の戦略を打ち出す上でこの手法をそのまま活用しました。日本において、コンカーの置かれた立場はどうなっており、それに向けてなにをすべきかということを、昨年10月24日の取締役会で提案しました。就任から、わずか3週間でプランをまとめたのは、まさにマッキンゼーの手法です(笑)
--社内にコンサルタントファームの経営コンサルタントがいるのと同じですね(笑)
三村:しかもそれが社長ですから(笑)
そして、3つめのベタープレイスでは、経済産業省と共同で世界初となるバッテリー交換式電気自動車タクシーの商用実証プロジェクトなどを推進したのですが、いくらいいものでも認知度が低いと広がりには限界があることを実感しました。そこで、自動車業界に向けて積極的なPRを行いました。
その取り組みは、国内のすべての自動車メーカーと新たなバッテリー方式について検討を行うという成果につながったのです。今回「コンカー クラウドフォーラム 2012」を開催し、認知度を高める仕掛けに力を注いだのもこの時の経験が生きています。